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2020年7月23日 展覧会

ら抜きの仕草(愛知県立芸術大学)

アーティスト|谷澤紗和子、近藤佳那子、後藤あこ
会場|アートラボあいち2階、3階
会期|2020年7月23日(木・祝)〜8月30日(日)※最終日17:00まで
※新型コロナウィスル感染症の状況により、予定を変更する場合があります。
※来館にあたっては、アートラボあいちの新型コロナウィルス感染拡大防止対策にご協力ください。

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出品作家のジェンダーの平等を掲げた「あいちトリエンナーレ2019」。しかし『表現の不自由展・その後』を取り巻く問題もあり、その意義について考える機会が少なかったように感じています。昨今の美術大学や芸術大学では女性が学生の多くを占め、本学においても8割ほどの学生が女性です。一方、現代のアートシーンのプレイヤーを男性が多く占めていることは「あいちトリエンナーレ2019」で示された資料※により明らかでしょう。
これらの状況を踏まえながら、本展では女性のアーティストや活躍する女性の卒業生に焦点をあてる機会として近年「女性と社会」について考える作品を制作する谷澤紗和子氏をゲストアーティストとして招き、本学出身の近藤佳那子、後藤あこの二人の若手作家と共に、展覧会『ら抜きの仕草』を開催いたします。
※「あいちトリエンナーレ2019」資料 |美術業界における主な男女比

『ら抜きの仕草』
今回出品作家との対話の中で、それぞれが感じる「女性」というラベリングについて、またアートシーンのジェンダーにおける「ニュートラル」について意見を交わしました。
本展の彼女たちの仕草として、普段と同様にそれぞれの問題意識から作品を制作して展覧会をつくります。出品作家たちと決めたこの展覧会タイトル『ら抜きの仕草』は、「られる」「らる」を抜く古典的な日本語としては間違った言葉「ら抜き言葉」から転用されています。現代語において進化した言葉と捉えることができるでしょう。私たちが「ニュートラルの本質」について考えること。「ら抜き言葉」が私たちにとって普通であるように、ジェンダーについても考えること。『ら抜きの仕草』とは企画者の私も含めて、鑑賞者自身に向けられているのです。

大崎のぶゆき(本展企画/美術作家・愛知県立芸術大学准教授)

主催|愛知県公立大学法人愛知県立芸術大学、あいちトリエンナーレ実行委員会
企画|大崎のぶゆき(美術作家・愛知県立芸術大学准教授)

ら抜きハンドアウト中_2稿-1.pngのサムネイル画像


谷澤紗和子/TANIZAWA Sawako
「妄想力の拡張」をテーマに、切り紙と光と陰によるインスタレーションや、貝殻の焼け跡の残る陶人形などを制作する美術作家。美術館や芸術祭での作品発表に加え、祭の装飾、他ジャンルのクリエイターとのコラボレーションなど、さまざまな活動を行う。 本展では、「弱者」や「女性」をテーマにした新作を発表予定。
主な展覧会に「ボーダレス・エリア近江八幡芸術祭 ちかくのたび」(寺本邸、滋賀、2019)「ALLNIGHT HAPS2019 後期 信仰」(HAPS オ フィス 1F、京都、2019)「龍野アートプロジェクト in クラクフ」(日本美術技術博物館マンガ、クラクフ ポーランド、2018)「東アジア文 化都市 2017 京都ーアジア回廊 現代美術展」(二条城、京都、2017)「高松コンテンポラリーアートアニュアル vol.5 見えてる景色/見えない景色」(高松市美術館、香川、2016 )「化け物展」(青森県立美術館、青森、2015)などがある。

近藤佳那子/KONDO Kanako
2014 愛知県立芸術大学美術研究科博士課程前期油画・版画領域 修了
繰り返す日々の無駄と進んでいく力を愛おしく感じ、制作と労働、私と他者、向こうとこちら、絵の具の物性や平面と立体、地と図、など相反したり交わったりする事柄をもとに制作している。
主な展覧会に「瀬戸現代美術展 2019」企画・展示 ( 旧産業技術総合研究所中部センター 瀬戸サイト、愛知、2019)「明るい景色」(Art Spot Korin、京都、2018) 「Flesh and bone」企画・展示 ( 海岸通りギャラリー・CASO、大阪、 2013) など。また、2017年からは愛知県瀬戸市において現代美術のカフェギャラリー「Art Space & Cafe Barrack」をアーティストの古畑大気と共同運営。2020年3月より名鉄瀬戸線清水駅高架下 SAKUMACHI 商店街にて「Barrack underpass」を始動。第一回展示アーティストとして作品を出品。

後藤あこ/GOTO Ako
2014 愛知県立芸術大学美術研究科博士課程前期彫刻領域 修了
大衆演劇の一家に育った経験から、ストーリーの表と裏に着目した彫刻やインスタレーションを発表。近作では彫刻に舞台要素をかけ合わせ、具象彫刻とストーリーの正体を問う作品を展開する。本展では、彫刻表現における虚構と現実をテーマに新作を発表予定。
主な展覧会に「ファン・デ・ナゴヤ美術展 2020 下手があるので、上手が知れる」(名古屋市民ギャラリー矢田、愛知、2020)「瀬戸現代美術展 2019」(瀬戸サイト、愛知、2019)「群馬青年ビエンナーレ 2019」(群 馬県立近代美術館、群馬、2019)「Dear Gray」(Art space & Cafe Barrack、愛知、2018)「アートアワードトーキョー丸の内 2014」(地下行幸ギャラリー、東京、2014)「Installation of Terracotta」 (LIXIL GINZA ガリレアセラミカ、東京、2012)などがある。

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