ミリアム・カーン

  • 1949年バーゼル(スイス)生まれ
  • ブレガリア(スイス)拠点
  • Photo: kw

幼少期にビキニ環礁における原爆実験の映像を見た世代で、自らと同じユダヤ系の科学者が原爆開発と投下反対の両方の立場にいた歴史的背景から、原爆をめぐる「美」と「倫理」の葛藤を主題にした水彩シリーズを繰り返し描いていた。一方、油彩作品は、人物、動植物、建物などいくつかに枝分かれした主題を含み、各主題がそれぞれ探求されているが、とりわけ人物を主題とする画面のなかでは時折、薄暗いトーンの背景に鮮やかな色彩で描かれた人々がたたずむ。個の存在を浮かび上がらせるための明確な輪郭線を持たないカーンの絵画は、境界よりも融合を示唆するように見える一方、見るものに救いのない冷徹な世界の現実を突きつけるようでもあり、この時代の不確かさと共に、苦難な状況下での人間のあり方を問いかける。

主な作品発表

2018
第21回シドニー・ビエンナーレ、シドニー(オーストラリア)
2018
個展「photographs」ワコウ・ワークス・オブ・アート、東京
2017
ドクメンタ14、アテネ(ギリシャ)、カッセル(ドイツ)
2016
個展「miriam cahn - AT EYE LEVEL」キール美術館、キール(ドイツ)
2015
個展「körperlich – corporel」Aargauer Kunsthaus、アーラウ(スイス)
  • 《美しいブルー》 13.5.17
  • Photo: Daniel Martinek
  • Courtesy of WAKO WORKS OF ART