キャスリン・ビグロー
『デトロイト』

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1967年のある日、アフリカ系退役軍人の功績を讃える式典の裏で、デトロイト市警察が違法酒場の摘発を行なった。警官隊への投石はやがて巨大な暴動へと発展し、その渦中に「アルジェ・モーテル事件」が発生する。暴動発生から沈静化の目処が立たない3日目の夜、若い黒人客たちで賑わうモーテルに、銃声を聞いたとの通報を受けた大勢の警官、州兵が殺到。警官たちは、偶然モーテルに居合わせた若者たちへ、暴力的な強制尋問を始める。緊張感の張り詰めた密室空間で、警官たちの一方的な「正義」が発露する背景には、黒人への人種差別があったことは明らかである。群像劇でもある『デトロイト』は、実在した一つの事件を複数の視点から眺める。

キャスリン・ビグロー

  • 1951年カリフォルニア(米国)生まれ
  • カリフォルニア(米国)拠点

サンフランシスコ・アート・インスティテュート卒業後、コロンビア大学芸術大学院で映画を学ぶ。代表作に、ソ連の原子力潜水艦が1961年に起こした事故を元にした『K−19』(2002)。イラク戦争を背景に米軍爆発物処理班の兵士たちを描いた『ハート・ロッカー』(2008)で、アカデミー史上女性初となる監督賞を含めた計6部門を受賞。続く『ゼロ・ダーク・サーティ』(2012)では、ビンラディン捜索に執念を燃やすCIA女性分析官の軌跡を大胆に描き話題を呼んだ。近年、歴史的な事件を元にした映画を多く発表。リアリティのある描写を積み重ねることで、極限状況における善悪の判断の境界線を浮かび上がらせる。

主な作品発表・受賞歴

2012
『ゼロ・ダーク・サーティ』
2008
『ハート・ロッカー』
2002
『K-19』
1987
『ニア・ダーク/月夜の出来事』
1981
『ラブレス』(共同監督:モンティ・モンゴメリー)