国際芸術祭「あいち2025」企画概要
キービジュアル
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このシンプルで豊かな詩を絵にする。
私がまず考えたのは「薔薇はどこに咲くのだろう」という事でした。
灰は理不尽な破壊や死の結果なのか?
だとしたら薔薇は死者の国に咲くのかもしれない。
わたしは死者の国の住人として幽霊を描くことにしました。
描いているうちに、死んでいるはずの幽霊たちが少し生き生きとしてきたような気がしました。
“死者の国”と思っていたのはもしかしたら“生まれる前の者たちの国”なのかもしれない。
それがこの絵です。
1969年埼玉県生まれ。神奈川県拠点。
多摩美術大学美術学部絵画学科卒業後、1993年「月刊アフタヌーン」(講談社)で四季大賞を受賞し、漫画家としてデビュー。高い画力と繊細な筆致で、自然とそこに住まう生き物たちが混じり合う、どこか恐ろしくも美しい世界を描き出す。代表作に日韓で実写映画化された『リトル・フォレスト』(2002–05)、文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞作『魔女』(2003–04)および『海獣の子供』(2006–11)などがある。現在は「BE・LOVE」(講談社)で『かまくらBAKE猫倶楽部』を連載中。挿絵や装画も多数手がける。
タイプセット/ロゴタイプ
和文の「石井ゴシック」と欧文の「Gerstner-Programm」は、いずれも写真植字(写植)用に開発され、DTPへの移行とともに姿を消したものの、近年デジタル環境向けに復改刻された書体です。活版に替わって登場した写植の技術は、柔軟な文字組みによる効率的な情報伝達を可能にし、戦後さまざまな用途で力を発揮してきました。複雑な歴史の中で受け継がれてきた書体の再考を通じて、人間と環境の関係を問い直す本芸術祭のコンセプトを体現します。
岡田和奈佳
Okada Wanaka
photo:
Daiki Oka
1990年愛知県生まれ。愛知県拠点。
グラフィックデザイナー。信州大学人文学部を卒業後、2018年よりグラフィックデザイナーとして活動。美術の領域を中心に、広報物・書籍のデザインを手がける。デザインを担当した主な広報物として「αMプロジェクト2023–2024開発の再開発」ギャラリーαM(2023、東京)、「枠と波」豊田市美術館(2023、愛知)などがある。
加納大輔
Kano Daisuke
photo:
Takeshi Miyamoto
1992年愛知県生まれ。神奈川県拠点。
グラフィックデザイナー。芸術・文化領域を中心にブックデザイン、展覧会広報物などを手がける。多摩美術大学版画専攻非常勤講師。主な仕事に、雑誌『NEUTRAL COLORS』(NEUTRAL COLORS/2020–)、デザインジャーナル『Ilmm』(FLOOAT/2024–)、ニコラ・ブリオー著『ラディカント』(フィルムアート社/2022)など。