国際芸術祭「あいち2025」企画概要

芸術監督

フール・アル・カシミ

Hoor Al Qasimi[シャルジャ美術財団理事長兼ディレクター/国際ビエンナーレ協会(IBA)会長]
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SEBASTIAN BÖTTCHER

アラブ首長国連邦をはじめ中東、そして世界中のアートを繋ぐ支援者として、2009年にシャルジャ美術財団を設立し、現在は理事長兼ディレクターを務める。新たな試みやイノベーションの支援に情熱を注ぎ、国際巡回展をはじめ、レジデンス・プログラム、コミッション・ワークや制作助成、パフォーマンスや映画のフェスティバル、建築物の調査や保存、幅広い年齢層に向けた教育プログラムまで、同財団の活動領域を広げてきた。
第6回シャルジャ・ビエンナーレ(2003)の共同キュレーターとなって以来、同ビエンナーレのディレクターを務め、2023年の第15回シャルジャ・ビエンナーレのキュレーターに就任。また、2017年には国際ビエンナーレ協会会長に選出された他、シャルジャのアフリカ・インスティテュート会長や建築トリエンナーレ会長兼ディレクターとしても活動。過去にはMoMA PS1(ニューヨーク)やユーレンス現代美術センター(北京)などのボードメンバーも歴任。

学芸統括

飯田志保子

Iida Shihoko[キュレーター]
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ToLoLo studio

東京都生まれ。名古屋市在住。1998年の開館準備期から11年間東京オペラシティアートギャラリーに勤務。2009年から2011年までブリスベンのクイーンズランド州立美術館/現代美術館内の研究機関に客員キュレーターとして在籍。韓国国立現代美術館2011年度インターナショナル・フェローシップ・リサーチャー。アジア地域の現代美術、共同企画、芸術文化制度と社会の関係に関心を持ち、ソウル、豪州複数都市、ニューデリー、ジャカルタ、ミラノで共同企画を実践。第15回アジアン・アート・ビエンナーレ・バングラデシュ2012、あいちトリエンナーレ2013、札幌国際芸術祭2014キュレーター、あいちトリエンナーレ2019、国際芸術祭「あいち2022」チーフ・キュレーター(学芸統括)を務めた他、2014年から2018年まで東京藝術大学准教授。国際美術館会議(CIMAM)会員、国際ビエンナーレ協会(IBA)会員、美術評論家連盟(AICA)会員。

キュレーター(現代美術)

入澤聖明

Irizawa Masaaki[愛知県陶磁美術館学芸員]

大阪府生まれ。京都市立芸術大学大学院修士課程芸術学領域修了。京都国立近代美術館キュレトリアル・インターンシップを経て、2015年から2017年までアサヒグループ(旧アサヒビール)大山崎山荘美術館で学芸員として勤務。2018年より現職。専門は日本の近・現代陶芸史。芸術表現としての陶芸だけでなく、産業的な視点も軸として展覧会を企画。近年の主な担当展に「異才 辻晉堂の陶彫—陶芸であらざるの造形から」(2020年)、「昭和レトロモダン―洋食器とデザイン画」(2022年)、「やきもの現代考—内⇄外—」(2022年)、「ホモ・ファーベルの断片」(2022年)。その他、西枝財団キュレーター助成事業として「Dividing Line – Connecting Line」(2013年/川井遊木 共同企画)に参画。

キュレーター(パフォーミングアーツ)

中村茜

Nakamura Akane[パフォーミングアーツ・プロデューサー]
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Takuya Matsumi

東京都生まれ。日本大学芸術学部在籍中より舞台芸術に関わる。2004年から2008年までSTスポット横浜プログラムディレクター、2006年株式会社precogの立ち上げに参画、2008年より同社代表取締役。2016年から2018年までアジアン・カルチュラル・カウンシル(ACC)のグランティとしてバンコクとニューヨークに滞在。現代演劇、コンテンポラリーダンスのアーティストやカンパニーの国内外の活動をプロデュースするとともに、サイトスペシフィックなフェスティバルや領域横断的な人材育成事業、動画作品をバリアフリーと多言語で配信するプラットフォーム事業などを手掛ける。海外ツアーや共同制作のプロデュース実績は30カ国70都市に及ぶ。2012年から2014年まで国東半島アートプロジェクト及び国東半島芸術祭(国東半島芸術祭実行委員会主催)パフォーミングアーツプログラム・ディレクター。2019年、True Colors Festival ~超ダイバーシティ芸術祭~(日本財団主催)アソシエイトディレクター兼副事務局長。2020年、アクセシビリティに特化したオンライン劇場「THEATRE for ALL」統括プロデュース。令和3年度(第72回)文化庁芸術選奨・文部科学大臣賞新人賞【芸術振興部門】受賞。

キュレーター(ラーニング)

辻琢磨

Tsuji Takuma[建築家]
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goitami

1986年静岡県浜松市生まれ。横浜国立大学大学院建築都市スクールY-GSA修了後、橋本健史、彌田徹とともに2011年に建築コレクティブ403architecture [dajiba](以下403)を設立。403として、2014年「富塚の天井」にて第30回吉岡賞受賞、2016年ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館にて審査員特別表彰、あいちトリエンナーレ2016出展等、国内外への出展多数。2017年に個人事務所となる辻琢磨建築企画事務所を設立後は、403と並行して、建物や空間の断続的でなめらかな変化をテーマに活動している。2019年には、あいちトリエンナーレ芸術大学連携プロジェクトの講師を、2020年から23年まで名古屋造形大学地域社会圏領域特任講師を歴任。現在は静岡県磐田市の建築設計事務所、渡辺隆建築設計事務所の特別顧問も務める。

キュレトリアルアドバイザー(現代美術)

石倉敏明

Toshiaki Ishikura[人類学者/秋田公立美術大学アーツ&ルーツ専攻准教授]

シッキム、ダージリン、ネパール、東北日本等でのフィールド調査、環太平洋の比較神話学や複数種をめぐる芸術人類学の研究、アーティストとの協働制作や展覧会企画協力を行う。多摩美術大学芸術人類学研究所助手、明治大学野生の科学研究所研究員を経て現職。2019年、第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際芸術祭日本館展示「Cosmo-Eggs | 宇宙の卵」に参加。共著書に『Lexicon 現代人類学』、『モア・ザン・ヒューマン マルチスピーシーズ人類学と環境人文学』(以上、以文社)など。

趙純恵

Cho Sunhye[福岡アジア美術館学芸員]

東京都生まれ。福岡市在住。日本国内や東アジア地域での展覧会アシスタント、コーディネーター等を経て、あいちトリエンナーレ2016のアシスタント・キュレーターを担当。2016年より福岡アジア美術館(学芸課収集展示係)の学芸員に着任。専門はアジア現代美術。近年は、汎アジアの移民当事者の美術史および視覚表現についての調査を行っている。美術館で担当した主な展覧会に、「アジア美術からみるLGBTQと多様性社会」(2019)、「福岡アジア美術館開館20周年記念展アジア美術、100年の旅」(2019)、「メッセージ―アジア女性作家たちの50年」(2020)、「水のアジア」(2023)などがある。