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2020年11月26日 レポート
今回の展示について(アートラボあいちからの3つの質問)|task
青木一将
アートの現場において、どのような実践をされてきたか教えてください。
アーティストの作品制作のサポートやアートスペースの空間施工をしています。マテリアルの知識や使い方のアイデア出しを得意としているのでそれを軸にアーティストの立体作品やインスタレーション制作の相談に乗ったりしています。
どのような環境(場所や、地域など)で活動しているのか教えてください。
愛知県を中心にお声が掛かれば全国津々浦々、美術館や芸術祭の現場へと出向きます。仕事に応じてチームを作って制作施工にあたります。愛知県は春日井市にスタジオを借りているので制作物などはそこで制作し搬入するといった感じです。
現在の活動を続けるきっかけとなったエピソードを教えてください。
あいちトリエンナーレ2010のプレイベントです。2009年です。長者町の会場をトリエンナーレのアシスタントキュレーターやアーキテクトの人たちがD.I.Y.で施工しているところにお手伝いとして入ったのがきっかけですね。その手探りのアートの現場が楽しかった、それが始めるきっかけであり続ける理由です。
青田真也
今回展示している作品のテーマ、コンセプトについて教えてください。
チラシやフライヤー、DMなどの印刷物を使って制作しました。実際にアートラボあいちに配架されているものも混ざっています。
作品を制作している環境(制作場所や、その地域など)について教えてください。
実際の制作作業は、名古屋市内に借りているスタジオで行っています。
ただ毎日自分が感じたり考えたりしている状況が大事なので、そう考えると場所を限定して制作をしているだけでなく、いつでもどこでも行っているのかなと思います。
現在の活動を続けるきっかけとなったエピソードを教えてください。
いろんなことの積み重ねでいまの自分の活動があります。
1つに限って言うことはなかなか難しいのですが、名古屋(愛知)に来たことはあるきっかけだと思います。
秋吉風人
今回展示している作品のテーマ、コンセプトについて教えてください。
二枚の支持体を継ぎあわせて一枚の支持体を作り、そこに絵を描く。絵が複数点完成したところで、それぞれを再び一枚ずつの支持体に分解し、いわば二分の一の絵にする。その二分の一の絵を、別の二分の一の絵と継ぎあわせて再び一枚の絵とし、完成とする。予期せぬものとの出会いにより起こりうる偶然と必然のバランスを肯定的に捉え、絵画という概念の解体と再構築が実験的に行われる。
作品を制作している環境(制作場所や、その地域など)について教えてください。
2011年から2018年まで拠点としていたドイツ・ベルリンを離れ、2年程前から愛知県に制作環境を移しました。現在は勤務している名古屋芸術大学内にスタジオを構えて作品制作を行っています。
現在の活動を続けるきっかけとなったエピソードを教えてください。
2001年前後、まだ名古屋芸術大学の学生だった当時、愛知県の上小田井にあったdotというプロジェクトスペースを同世代のアーティスト達と運営していて、そこで出会ったアーティストを含む美術関係者との関係性によるものが大きく影響しているかと思います。
大田黒衣美
今回展示している作品のテーマ、コンセプトについて教えてください。
チューイングガムを素材として人の形を創っています。
ガムは噛み切れず、また腐らない食材としてその不分明な位置に興味を持ち、人の形を現す素材としてここ数年扱ってきました。人の口のサイズに合わせられた口に含む前の板ガムを数枚組み合わせ、そこにカッティングをして、作品を創っています。
写真作品はアトリエに時々遊びに来る飼い主の分からない猫が丸くなって寝ている間に、その背中にガムの作品を載せて撮影した作品です。
作品を制作している環境(制作場所や、その地域など)について教えてください。
作品によって制作環境は変化します。
自身のアトリエに籠ることもあれば、友人の部屋や喫茶店で創っている時もあります。
公共の施設や工房等も利用しています。あまり固定されていません。
現在の活動を続けるきっかけとなったエピソードを教えてください。
様々な素材やメディアを通して個人的な「絵」を模索して来ました。
活動を続ける原点には子どもの頃からの絵を描いたり観ることへの興味があり、そこから、猫の背中にガムを使って絵を描く行為に至っています。
田村友一郎
今回展示している作品のテーマ、コンセプトについて教えてください。
昨年にニュージーランドはニュープリマスという都市の美術館で個展形式で発表した作品《Milky Mountain/裏返りの山》の要素を再構成しています。題材は、ニュープリマスにあるタラナキ山という山が、富士山と同じ形をしており、その山を裏返りの山として、それに連なるエピソードで作品は構成されています。例えば、タラナキ山の麓で17年前にトム・クルーズ主演のハリウッド映画『ラストサムライ』が撮影されたことや、富士山との関係からニュープリマスが静岡県の三島市と姉妹都市関係にあることなど。また、2016年に横浜美術館で発表した作品《裏切りの海/Milky Bay》は、姉妹作品とも言えるもので、三島由紀夫がキーパーソンとして作中では登場するのですが、引き続き今回も先の三島市との関係から、ある種のラストサムライとして再登場したりもしています。それら要素をまとめ上げているのが、名古屋芸術大学洋画コース3年生の瀬古亮河くんによって書き下ろされたニュープリマスを舞台としたアメコミとも言えます。作品自体にはその他にも要素はあるものの、今回の展示ではラストサムライとしてのミシマとトム・クルーズを中心に資料要素と映像をシンプルに展示しています。
作品を制作している環境(制作場所や、その地域など)について教えてください。
依頼仕事、コミッションワークが主な作品の形態になり、その依頼先、主には美術館に赴き、最初のプランが練られることが多いです。その後は、作品に関わる様々なスタッフのスケジュールを押さえたり、予算の配分などが主な仕事となり、基本的にはパソコン仕事となります。ノートパソコンがあれば、制作環境はとくに問いません。
現在の活動を続けるきっかけとなったエピソードを教えてください。
30歳まで出版社で働いていましたが、仕事に限界を感じ、一度リセットする意味でも大学に通ってみようと、東京藝術大学の大学院に入りました。そこでいまの活動に繋がるようなことを始めたように思います。主には課題制作だったのですが、与えられたテーマに対してリアクションするというかたちは今もあまり変わっていないようにも思えます。
三宅砂織
今回展示している作品のテーマ、コンセプトについて教えてください。
フォトグラムは、2011年にベルリンに旅行に行った時、蚤の市で買った写真が出発点になっています。映像作品は、ある人物のアルバムにあった写真を見て、自分もそこへ行ってみたいと思ったことがきっかけです。お手数ですが、詳しくは、冊子のBook PDF をご覧ください。
http://www.saorimiyake.com/news
作品を制作している環境(制作場所や、その地域など)について教えてください。
京都と大阪のちょうど中間あたりに住んでいます。典型的な郊外、ベッドタウンです。私のスタジオは、元店舗だった物件です。1階が制作スペースで、上の階が住居スペースです。
現在の活動を続けるきっかけとなったエピソードを教えてください。
今の活動のきっかけは、特に無く、手探りで制作を続けているうちに、たどりつきました。特別なエピソードはないので、ステイトメントをギャラリーのwebから引用させていただきます。
三宅砂織は、人間が有形無形のあらゆる事象へ眼を差し向け、なんらかの方法で画像化すること、画像化したものを現実の中で共有していくことに関心を寄せています。彼女の作品は、かつて誰かが見たものとして既にあるイメージを後にまた誰かが見るという、わたしたちが日常的に繰り返している営為から発想され、このような、いわば眼差しの連鎖の中で醸造されるイメージを、複層的な意味を込めて「絵画的な像」という言葉で表現しています。現代の生活空間には膨大な量の画像が氾濫し、私たちの認知や経験の多くの部分は、「絵画的な像」に影響を受けています。その意味で「絵画的な像」とは、その時その時の欲求や状況に影響される流動的なものといえるでしょう。このような事象を制作の源泉とする彼女の実践は、過去に見たイメージの再現ではなく、未来の不確定性を織り込んだ現在の生を映し出し、問いかけるものです。
西田雅希
アートの現場において、どのような実践をされてきたか教えてください。
ロンドンで10年間、美術大学から美術館、ギャラリー、コレクター事務所まで、公・民のさまざまな角度からアートエデュケーション とキュラトリアルの仕事をしてきた後、あいちトリエンナーレ2016のチームに参加するため日本に拠点を移しました。以降、フリーのキュレーター・ライターとして国内外で活動しています。
どのような環境(場所や、地域など)で活動しているのか教えてください。
名古屋を拠点に、国内外で展覧会の企画やアートプロジェクトのマネジメント、リサーチワークを行っています。また、主に海外の媒体向けに、日本各地の展覧会レビューや最新の現代美術の動向を寄稿しています。
現在の活動を続けるきっかけとなったエピソードを教えてください。
なぜ、このようなことになったのか、自分でもよくわかりません。気がついたらひとつひとつの仕事が繋がってここまで来ていました・・・
本山ゆかり
今回展示している作品のテーマ、コンセプトについて教えてください。
「絵画」にまつわる事象の中から「描く」という行為(動作)に集中するための仕組みに則り制作したものが、画用紙というシリーズになります。それとは別に、モチーフに付与される印象や文脈的意味付けを積極的に引き受けるための仕組みに則り制作したものが、Ghost in the Clothというシリーズになります。
作品を制作している環境(制作場所や、その地域など)について教えてください。
京都市在住。住居の中の広めの部屋に白い壁を立てて作業しています。自然光がかなり入ってくる部屋なので、この夏は室内でやたら日焼けしました。作品の日焼けには気をつけています。
現在の活動を続けるきっかけとなったエピソードを教えてください。
具体的なエピソードは特にありませんが、日々選択の積み重ねだなと思います。
吉田有里
アートの現場において、どのような実践をされてきたか教えてください。
これまで横浜のアートセンターBankART1929での運営スタッフ 、あいちトリエンナーレ2010、2013のまちなか会場のコーディネート・キュレーション、トリエンナーレスクールやアートラボあいちの立ち上げなどを行ってきました。
2015年〜は、名古屋港エリアでのアートプログラム「Minatomachi Art Table, Nagoya[MAT, Nagoya]」と、フェスティバル「アッセンブリッジ・ナゴヤ」の企画・運営、共同ディレクターを行っています。
主な仕事の内容は、アーティストの作品制作や発表に併走して、プランの実現に向けてのサポート、作品を見せるために必要な空間や展示方法の検討、展覧会やフェスティバル運営のための地域や行政との調整、広報活動など、さまざまな業務を行っています。
どのような環境(場所や、地域など)で活動しているのか教えてください。
名古屋港エリアを拠点にしています。まちづくりとアートの活動拠点「港まちポットラックビル」やアーティストユニットL PACK.と建築家との共同で場所を開いた「NUCO」などのスペースなどで、展覧会やイベントを行っています。
まちで活動をすることで、普段アートに接することのない人たちに向けて、アートと出会う環境づくり、アートの体験を届けることができたらと思っています。アーティストはもちろん、アート・音楽・デザイン・建築を学ぶ学生にとっても実践、実験の場になるようにとプロジェクトを展開しています。
現在の活動を続けるきっかけとなったエピソードを教えてください。
中学生の時に、自宅の近所に東京都現代美術館ができたことが、現代美術との出会いです。
「わからない」ことのおもしろさや、正解のない問いを自分で考え・感じることを教わりました。
大学生の時に、アーティスト、キュレーター、アートコーディネーター、デザイナー、学者、通訳者などが関わるアートプロジェクトにボランティアをしに行った経験が、いまの仕事につながっています。
渡辺英司
今回展示している作品のテーマ、コンセプトについて教えてください。
あるとき、実感したことのメディアを定めない展開の約20年間の中から選び取られた作品です。
作品を制作している環境(制作場所や、その地域など)について教えてください。
思考する(制作)環境は、普段の生活の中にあります。
仕事場は、大府市の丘の上の古びた民家です。
現在の活動を続けるきっかけとなったエピソードを教えてください。
「目から鱗が落ちて即、付け直したときからです。」