プロジェクト
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2018年1月6日 展覧会
「Shadow in the House」 Akira Otsubo exhibtion(愛知県立芸術大学)
ニュース
アーティスト|大坪晶
会場|アートラボあいち2階
会期|2018年1月6日(土)〜2月18日(日)(開館日時|金土日祝、11:00~19:00)
「Shadow in the House」シリーズは、時代の変遷に伴って多層的な記憶を持つ家の室内空間を長時間露光によって撮影し、室内で蠢く身体の痕跡を「影」として写し込む写真作品です。美術家・写真家の大坪 晶はこれまで、複雑な歴史を持つ室内に残された個人の記憶と史実に着目し、制作を行ってきました。今回、愛知県立芸術大学 アーティスト・イン・レジデンスにて、県内に現存する「接収住宅」計3件と公共建築1件を撮影しました。「接収住宅」とは、第二次世界大戦後、連合国占領軍により、将校とその家族の住居として強制的に接収された個人住宅のことで、その多くが近代的な設備の整備や洋風の改装が施されたことから、戦後日本の住環境(精神風土)の起源という側面も持っています。
室内を撮影する際には、古川友紀(ダンサー)が写真内の「影」となることによって、記録と表現が交差する新しい可能性を提示しています。場所の選定にあたっては、研究者から提供を受けた論文や資料を参照し、並行して関係者への聞き取りを行っています。また、プロジェクトメンバーである高嶋 慈(美術評論家)は、「記憶」の想起、「写真」をめぐるメディア論的な問い、「ドキュメンタリー」の真正性をめぐる問題について考察する批評テクストを随筆し、「Shadow in the House」が持つ意義を美術・写真批評の射程から提示します。これらにより、歴史ある建築を守り継いでゆく意義を示すとともに、日本における接収の実態や生活様式の変遷が、今日の私達の文化や精神的背景にどのように影響を与えているのかについて、考える機会を提供します。展覧会では、「Shadow in the House」を写真作品、調査資料、批評テクストを用いた複合的なインスタレーションとして展開することで、鑑賞者の能動的な読み取りや記憶の想起を促す場を作り出します。
主催|愛知県公立大学法人 愛知県立芸術大学
企画|愛知県立芸術大学 芸術創造センター
協力|あいちトリエンナーレ実行委員会