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2017年10月1日 パブリック・プログラム

ALA screen 002, 003:田村友一郎 / Yuichiro Tamura

アートラボあいちでは、様々な映像作品を上映するプログラム「ALA screen」を実施しています。今回は、田村友一郎さんの作品を2ヶ月に渡り2作品ご紹介いたします。10月の上映作品《アポロンの背中》は、2016年度の愛知県美術館オリジナル映像作品として委嘱制作されたもので、11月に上映する《アポロンの裏切り》はその続編的な位置付けになるものです。ボディビルディングの起源と映像の起源を結びつけることで、身体と映像表現の関係を探求する意欲的な作品です。

ALA screen 002 田村友一郎《アポロンの背中》

Yuichiro Tamura, Apollo's Back

《アポロンの背中》は、肉体に言及する様々な映像を収集したファウンド・フッテージで構成されます。田村は、映像におけるイメージの編集や接続行為を、人の筋肉のつながりへと結びつけることで、本作の骨格を組み立てました。ボディビルディングの起源のはなし、ボディビルダーから俳優を経て政治家へと栄光の道を辿ったシュワルツェネッガー、アメリカ兵の肉体や三島由紀夫、永遠の美としてのギリシャ彫刻、そして裸でスタジアムを駆け抜けるストリーキングなど、肉体にまつわるバラバラの多数の物語を、田村が創作したシナリオによりつなげていくことで構成される映像作品です。

  作品名:≪アポロンの背中≫(愛知芸術文化センター・愛知県美術館オリジナル映像作品)
  会 場:アートラボあいち2階(鑑賞無料)
  期 間:平成29年10月6日(金)から10月29日(日)の金・土・日曜日と祝日
      (月曜日から木曜日は休館)午前11時から午後7時
  上映時間:20分54秒(ループ上映)

Title:Apollo's Back
  Venue: Art Lab AICHI 2F (Admission free)
  Date: 11:00am to 7:00pm, Oct. 6 - Oct. 29, 2017 (Open from Friday to Sunday [Closed on Monday to Thursday])
  Duration: 20:54min (Loop)

※展示会場の関係で、イベント時はご覧いただけない可能性があります。ご理解ご協力のほどよろしくお願いします。

Apollo's Back.JPG

《アポロンの背中》2016 Courtesy of the artist

ALA screen 003 田村友一郎 ≪アポロンの裏切り≫

Yuichiro Tamura, Apollo's Back-stab

《アポロンの裏切り》は、2016年に横浜美術館で発表したインスタレーション作品『裏切りの海』を映像作品化したものです。横浜を舞台にした三島由紀夫の小説『午後の曳航えいこう』を下敷きに、ボディビルディング、海中に沈められたバラバラの遺体、海中から引き上げられたバラバラの古代ギリシア彫刻、そして落語の「胴切り」など分断された肉体のエピソードが、田村の創出したシナリオによって接続されていきます。『午後の曳航』に登場する少年の「世界は単純な記号と決定で出来上がっている」という台詞の引用から、G.H.Q.に代表されるようなアルファベットを記号として解体するなど、映像における接続と解体という行為をどこか比喩的に捉えた映像作品とも言えます。

  作品名:≪アポロンの裏切り≫(2016年度 愛知県美術館/愛知芸術文化センター収蔵作品)
  会 場:アートラボあいち2階(鑑賞無料)
  期 間:平成29年11月3日(金)から11月26日(日)の金・土・日曜日と祝日
     (月曜日から木曜日は休館)午前11時から午後7時
  上映時間:20分41秒(ループ上映)

Title:Apollo's Back-stab
  Venue: Art Lab AICHI 2F (Admission free)
  Date: 11:00am to 7:00pm, Nov. 3 - Nov. 26, 2017 (Open from Friday to Sunday [Closed on Monday to Thursday])
     (月曜日から木曜日は休館)午前11時から午後7時
  Duration: 20:41min (Loop)

※展示会場の関係で、イベント時はご覧いただけない可能性があります。ご理解ご協力のほどよろしくお願いします。

スクリーンショット 2017-09-29 16.09.24.png

《アポロンの裏切り》2016 Courtesy of the artis

【田村友一郎プロフィール】

1977年富山県生まれ。熱海市在住。日本大学芸術学部写真学科卒業。東京藝術大学大学院映像研究科博士後期課程修了。2012年度文化庁新進芸術家海外派遣制度によりベルリン芸術大学・空間実験研究所に在籍。既にあるイメージや自らが撮影した素材をサンプリングの手法を用いて使用し、独自の関係性を導き出し再構築することで時空を超えた新たな風景や物語を立ち上げる。GoogleStreet Viewのイメージのみで構成されたロードムービー『NIGHTLESS』で第14回文化庁メディア芸術祭アート部門優秀賞受賞(2011年)。

近年の主な展覧会に「2or 3 Tigers」(Haus der Kulturen der Welt、ベルリン|2017年)、「Mode of Liaison」(バンコク芸術文化センター[BACC]|2017年)、「BODY/PLAY/POLYTICS」(横浜美術館|2016年)、KYOTO EXPERIMENT 2016(京都芸術センター)、「物語りのかたち」(せんだいメディアテーク|2015年)、メディアシティ・ソウル2014(ソウル市美術館)、「これからの写真」(愛知県美術館|2014年)、MOTアニュアル2012「風が吹けば桶屋が儲かる」(東京都現代美術館)など。今後は、日産アートアワード2017、ヨコハマトリエンナーレ2017特別企画、ハンブルガー・バーンホフ現代美術館(ベルリン)での展示が予定されている。

関連イベント|アーティストトーク 「田村友一郎によるWeek End / End Gameができるまで」

(詳細ページ:http://aichitriennale.jp/ala/news/2017/002028.html

日 時:2017年11月17日(金) 19:00-20:30
会 場:アートラボあいち2階(無料、申込み不要)
スピーカー:田村友一郎、服部浩之(アートラボあいちディレクター)
ゲスト:青木一将(ミラクル・ファクトリー)、越後谷卓司(愛知県美術館学芸員)

■問い合わせ先
あいちトリエンナーレ実行委員会事務局 事業グループ
住所:〒461-8525 名古屋市東区東桜1-13-2 愛知芸術文化センター6階
TEL:052-971-6127 FAX:052-971-6115
E-Mail:triennale@pref.aichi.lg.jp