プロジェクト
Projects

2025年6月20日 展覧会

朝食のあとで vol.2 スープの冷めないうちに(名古屋造形大学)

アーティスト|秋川フジヲ、中居真紀、吉積惟代
会 場|アートラボあいち3階
会 期|2025年7月11日(金)~8月3日(日)
休館日|月曜・火曜(祝日は開館、直後の平日が休館)
    (7月14日、15日、22日、23日、28日、29日がお休みです)
トークイベント
「作品が在り続けるために」
日 時|7月12日(土)17:00〜
登壇者|鵜尾佳奈(愛知県美術館学芸員)、秋川フジヲ、中居真紀、吉積惟代

スープの冷めないうちに
近すぎると鬱陶しく、 遠すぎると会いたくなる。 「スープの冷めない 距離」とは 、 温かいスープを冷まさずに届けられる住居間の距離、転じて人が親密な関係を継続するのに適した距離感を指す言葉です。
描かれた人物像を手がかりに、作家とモチーフ、手とキャンバス、現実と空想、......作品に内包される多様な距離感について考察し、それぞれの【スープの冷めない(もしくは冷めてこそ心地良い)関係性】を探ります。

「朝食のあとで」は名古屋造形大学の学生および卒業生を紹介するプログラムです。
芸術を続けるということは「朝飯前!」とはいかないときでも、どうにかこうにか日々の営みに組む込み、向き合い続けることです。
このプログラムは、本学に縁のある表現者たちの活動を、ひとつの通過点、あるいは次へのきっかけとなることを期待して企画するものです。
今回は、秋川フジヲ、中居真紀、吉積惟代の3名をご紹介します。

ALA_朝食の後で vol.2_flyer_表面.jpgのサムネイル画像

ALA_朝食の後で vol.2_flyer_裏面.jpg


秋川フジヲ Akikawa Fujiwo

2025 名古屋造形大学 造形学部 造形学科 美術表現領域 卒業
私はセーラー服を着た少女をモ チーフに制作しています。この少女は概念としてのキャラクターであり、特定の誰かを指すものでも無ければ名前があるわけでもありません。自身の記憶の中にある場面に、その少女を実際に配置しパネル上で再構成していきます。同じ手法で下絵を何枚もパネルへ写し、キャラクターを何度も描くのです。既に何層も描かれた表面に、また別の方法で「場面と少女」を塗り重ねます。描き終わった絵を見て自身の記憶に紐付けされた感情を懐かしむ、絵を描く上で私はこれを繰り返しています。

中居 真紀 Nakai Maki

2024 名古屋造形大学 造形学部 造形学科 美術表現領域 卒業
私は、ボーイズラブ漫画や幼い頃から描いてきた動物キャラクター、写真のドローイングなどをモ チーフに絵画を制作しています。中学生の頃に出会ったBL作品に強く惹かれ、自作のキャラクターを描くことや空想することに没頭してきました。制作では、BLキャラクターにドローイングなどの図像を重ね 、透明感のある画材で色や形の重なりを表現し、奥行きや距離感を生み出しています。作品と思考をリンクさせながら、心に浮かんだ 「好きなもの」をそのままキャンバスに映し出すような表現を目指しています。絵を描くことを、これ からもずっと続けていきたいという純粋な気持ちを原動力に、日々制作に取り組んでいます。

吉積 惟代 Yoshizumi Iyo

2018 名古屋造形大学 造形学部 造形学科 洋画コース 卒業
2020 埼玉大学大学院 教育学研究科 教科教育専攻 芸術専修 美術分野 修了
神山財団 芸術支援プログラム 5期生

私が感じている物理的・心理的距離感も含めた自分と他者との関係性について可視化したいという思いが制作の動機のひとつです。私が捉えている他者とは、私自身の自己投影によって形作られているのだと考えています。自己投影でできた他者像を、その他者ではなく画面に投射することで私の絵画制作がはじまります。「距離」シリーズでは自分にとって親密な間柄の人物を、「けはい」シリーズでは 思い入れの強い場所を中心に人の気配を感じる光景をモチーフとしています。