今、を生き抜くアートのちから

ARTISTSアーティスト

曹斐(ツァオ・フェイ)Cao Fei

  • 1978年、広州(中国)生まれ。
  • 北京(中国)拠点。

IC17

社会批評、ポップカルチャー、ドキュメンタリーの手法を織り交ぜ、ときにシュルレアリスムも参照しつつ、今日の中国社会の急激な発展や変化を題材にした映画やインスタレーションを制作するツァオ・フェイ。1850年に創業し、尾州地区で古くから毛織産業の中核を担ってきた国島株式会社が所有するノコギリ屋根工場の一角を使用し、レトロ・サイエンス・フィクション《新星》(2019)を展示します。

3年間にわたって制作された《新星》は、人間を最新のテクノロジーによってデジタル信号に変換するという国際的な極秘プロジェクトに携わる、コンピュータ科学者の物語です。様々なサンプルでの試行錯誤を経て、最終的に息子を実験台にした結果、その青年はサイバースペースで行方不明に。現実と虚像の中間を漂いながら、過去・現在・未来を往還し続ける亡霊のような存在となった息子は、決して戻ることができない現実を前に逡巡します。

本作の舞台となっている施設は、作家が新たなスタジオ候補地として偶然見つけた映画館「紅霞」の跡地。すでに取り壊すことが決まっていたその場所はかつて、1957年にソ連の支援を得て建設された工場に勤務する、労働者たちが集うコミュニティスペースも兼ねた文化施設だったといいます。ツァオは、急速に発展する社会の裏で忘却されがちな歴史を前に、博物学的な見地からただ対象をアーカイブするわけではなく、消えゆく遺跡を未来に開くため本作を制作したと語ります。近年の主な個展に、国立21世紀美術館(MAXXI)(2021、ローマ、イタリア)、ユーレンス現代美術センター(2021、北京、中国)、サーペンタイン・ギャラリー(2020、ロンドン、英国)、ポンピドゥー・センター(2019、パリ、フランス)、K21 州立美術館(2018、デュッセルドルフ、ドイツ)、大館現代美術館(2018、香港)、ニューヨーク近代美術館 PS1(2016、米国)、などがあります。

主な作品発表・受賞歴
2021
個展、国立21世紀美術館(MAXXI)(ローマ、イタリア)
2021
個展、ユーレンス現代美術センター(北京、中国)
2020
個展、サーペンタイン・ギャラリー(2020、ロンドン、英国)
2019
個展、ポンピドゥー・センター(パリ、フランス)
2018
個展、K21 州立美術館(デュッセルドルフ、ドイツ)
2018
個展、大館現代美術館(香港)
2016
個展、ニューヨーク近代美術館 PS1(米国)

展示情報

《新星》2019

IC17

  • 国際芸術祭「あいち2022」展示風景
  • 《新星》 2019
  • 撮影: ToLoLo studio
開館時間
10:00-18:00

※入館は閉館の15分前まで

上映情報
10:00 / 11:38 / 13:16 / 14:54 / 16:32*

*途中終了となります

上映時間
98分
上映言語
中国語(日本語・英語字幕)
休館日
月曜日(祝休日は除く)
会場・アクセス
国島株式会社
  • JR「尾張一宮」駅または名鉄「名鉄一宮」駅下車 徒歩2分 バス停「一宮駅」名鉄バス乗車4分 バス停「馬引西」下車徒歩5分