今、を生き抜くアートのちから

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グレンダ・レオンGlenda León

  • 1976年ハバナ(キューバ)生まれ。
  • マドリッド(スペイン)拠点。

TK03

巨大な青い壁には星々が輝き、別の壁には次第に満ちていく月が見えます。天井から落ちる雨は、床に波紋を広げています。これらはすべて、楽器を構成する部品によってかたちづくられています。ピアノ線の雨や、ギターなどの弦とペグ(糸巻き)が織りなす星座、タンバリンの月に触れれば、たちまちこの空間に音楽が流れ始めます。また、作曲家の野村誠がこれらの「楽器」を実際に演奏する様子を、映像を通じて聴くことができます。

以前は陶管工場だったこの建物の別の部屋には、青々とした山脈を思わせる立体作品が並んでいます。1977年、アメリカ航空宇宙局は地球外知的生命体とのコンタクトを求めて、地球上の様々な音を録音したレコードをボイジャー探査機に搭載しました。現在も宇宙を漂いながら誰かの解読を待つこれらの音から、グレンダ・レオンは波形のドローイングを起こし、名古屋芸術大学の協力のもと、やきものとして立体化しました。

アフロ・キューバン・ジャズの国キューバで、日常的に音楽やダンスに触れながら育ったグレンダ・レオンは、様々な人工物を通じて自然と人間との関係に鮮やかに介入するアーティストです。山の稜線や動物たちの移動の軌跡、部分と全体のかたちが相似する海岸線のように、自然に潜むさまざまな線のパターンを楽譜として読み替える作品など、レオンのプロジェクトの多くは「音」と結びついており、私たちを取り巻く自然や他者の声、そして自らの内なる声に耳を傾けることを促します。第55回ヴェネチア・ビエンナーレ(2013、イタリア)にキューバ代表として参加し、近年ではピラール&ジュアン・ミロ財団・マジョルカのピラール・ジュンコーザ&サザビーズ賞を受賞(2021、スペイン)、同財団で個展開催を予定(2023)。またハバナ・ビエンナーレ(2003、2015、2019、キューバ)やダカール・ビエンナーレ(2018、セネガル)などにも参加しています。

主な作品発表・受賞歴
2021
個展「Música de las formas」ビーゴ現代美術館(ポンテベドラ、スペイン)
2013
第55回ヴェネチア・ビエンナーレ、キューバ代表(ヴェネチア、イタリア)

展示情報

TK03

  • 国際芸術祭「あいち2022」展示風景
  • 《星に耳をかたむける(愛知)》 2022
  • 撮影: ToLoLo studio
開館時間
10:00-17:00

※入館は閉館の15分前まで

休館日
水曜日
会場・アクセス
旧丸利陶管
  • 名鉄「常滑」駅下車 徒歩7分