今、を生き抜くアートのちから

ARTISTSアーティスト

ケイリーン・ウイスキーKaylene Whiskey

  • 1976年ムバントゥア(豪州)生まれ。
  • インドゥルカナ(豪州)拠点。
  • ※ムバントゥア(Mparntwe)は東アランダ語でアリススプリングスを指す。

IC08

「My name is Kaylene Imantura Whiskey [私の名前はケイリーン・イマデュラ・ウイスキー]」と連呼しながらマーチする女性。彼女こそが作者、ケイリーン・ウイスキーです。映像の中で、彼女は友人とランドクルーザーに乗り込んで砂漠に繰り出し、パーティーを繰り広げます。ときにドリー・パートンや、ティナ・ターナー、ウーピー・ゴールドバーグといったスーパースターに扮し、キャット・ウーマンや、ワンダー・ガールと歌い踊る彼女たち。彼女たちは、この地で生きる喜び、女性同士の友情、そして、無限の愛を、陽気なリズムに乗せて発信しています。まさに生の讃歌です。

ウイスキーは、オーストラリアの先住民、アナング族のヤンクニチャチャラ族の女性で、長老から固有の知恵を受け継いできました。同時に、彼女は若い頃から、ミュージック・ビデオやコカ・コーラなどグローバル化した欧米の文化にも親しんでいます。こうしてケイリーンは、古くから伝わる先住民の文化と、資本主義の輝きに彩られた消費文化という複数の文化を取り込み、それらをミックスしながら作品を制作しています。例えば、映像にも絵画にも、彼女が愛してやまないセレブリティーが数多く登場しますが、彼女たちは皆、ケイリーンと友人、野生の動植物と共生し、絵画中ではミンクルパ(砂漠に生えるタバコの木)の栽培にも精を出しています。

ケイリーン・ウィスキーは、南オーストラリア州の北西部にある先住民の自治区、アナング=ピチャンチャチャラ=ヤンクニチャチャラ・ランド(Anangu Pitjantjatjara Yankunytjatjara Lands)に住み、先住民の文化活動を支援、発信するアートセンター、イワンチャ・アーツ(Iwantja Arts)を拠点に活動しています。その作品は、シドニー現代美術館などオーストラリア国内の公立美術館のみならず、アメリカやドイツでも紹介されており、2018年にはオーストラリアの歴史ある芸術賞であるサー・ジョン・スルマン賞を受賞しています。

主な作品発表・受賞歴
2022
Melbourne Art Foundation Commission(豪州)
2022
Sydney Modern Project Commission(豪州)
2020
Winner: Digital Art Prize, Heathcote Cultural Precinct, メルビル(豪州)
2019
Winner: General Painting Award, Telstra NATSIAAs Awards、 ノーザンテリトリー博物美術館(ダーウィン、豪州)
2018
Winner: Sir John Sulman Prize、ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館(シドニー、豪州)

展示情報

IC08

  • 国際芸術祭「あいち2022」展示風景
  • 《ハッピー・プレイス》 2022
  • 《ストロング・クンガ》 2019
  • 撮影: ToLoLo studio
開館時間
10:00-18:00

※入館は閉館の15分前まで

休館日
月曜日(祝休日は除く)
会場・アクセス
旧一宮市立中央看護専門学校(4階)
  • JR「尾張一宮」駅下車 徒歩16分
  • 名鉄「名鉄一宮」駅下車 徒歩16分