今、を生き抜くアートのちから

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鯉江 良二Koie Ryoji

  • 1938年愛知県生まれ。
  • 愛知県および岐阜県を拠点に活動。2020年愛知県にて没。

TK12

常滑市に生まれた鯉江良二は、土管工場でのアルバイトで初めて土に触れ、常滑高等学校窯業科を卒業後はタイル製造業に携わりながら陶を学び、1966年には常滑市立陶芸研究所から独立しました。

はじめは伝統的な陶芸の技術を学んでいた鯉江ですが、1960年代にはわざわざ京都に通いつめるほど、前衛陶芸の先駆者である八木一夫から強い影響を受けました。1970年には稲葉実、杉江淳平、吉川正道や柴田正明ら常滑の作家たちとともに大阪万博に出品するための陶製ベンチを制作したほか、そのメンバーによる常滑造形集団の前衛的な陶芸活動にも参加するなど、常滑から世界を見つめた制作を続けました。鯉江は因習的な「陶芸」の枠にとどまらず、現代美術と陶芸の領域を往来し、火、土といった根源的な物質を作品にしながら、生を追究し続けました。

今回、このINAXライブミュージアムの窯のある資料館に展示されているのは、反核を訴えた《証言(ミシン)》(1973)や《チェルノブイリ・シリーズ》(1989–90)など、いずれも社会への強いメッセージを核に据えながら、土を炎で焼くという行為を問い直し続けた鯉江の代表的な作品の一群です。鯉江は「現代の陶芸 I いま、土と炎で何が可能か」山口県立美術館(1982)、「現代の陶芸 1950–1990」愛知県美術館(1993)などをはじめとした数々の展覧会に参加し、陶芸と現代アートの境界を超えて国内外で高く評価されています。

主な作品発表・受賞歴
1993
「現代の陶芸 1950-1990」愛知県美術館
1982
「現代の陶芸 I いま、土と炎で何が可能か」山口県立美術館

展示情報

TK12

  • 国際芸術祭「あいち2022」展示風景
  • 《チェルノブイリ》シリーズ、1989-1990
  • 撮影: ToLoLo studio
開館時間
10:00-17:00

※入館は閉館の15分前まで

休館日
水曜日
会場・アクセス
INAXライブミュージアム
  • 名鉄「常滑」駅下車徒歩1分 バス停「常滑駅」知多バス乗車10分 バス停「INAXライブミュージアム」下車徒歩2分
  • 名鉄「常滑」駅下車徒歩1分 バス停「常滑駅」巡回バス乗車30分 バス停「INAXライブミュージアム」下車徒歩1分
  • 名鉄「常滑」駅下車 徒歩25分