今、を生き抜くアートのちから

ARTISTSアーティスト

近藤 亜樹Kondo Aki

  • 1987年北海道生まれ。
  • 山形県拠点。

IC04

《ともだちになるためにぼくらはここにいるんだよ》(2022)は、豊かな色彩と大きなストロークの躍動感あふれる筆致を特徴とする近藤らしい大作で、中央の太陽が画面全体を明るく照らしています。大地を駆け回る子どもたちと動物たちを前景に、向日葵を後景にした太陽が、横たわる枯木をしっかりと抱きとめています。世界中のさまざまな問題を跳ね返すほどのエネルギーが、勢いよく、何度も厚く重ねられた絵具の層に現れています。その力強さを裏打ちしているのは、人間は誰しも他者と手を取り合い、より良い未来を築くことができるはずだという近藤の信念。本作は、破壊から再生へ、絶望から回復へと、逆境すら活力に転換する近藤のレジリエンスと、あらゆる生命への溢れんばかりの慈愛に満ちています。

隣接する階段教室で上映する《HIKARI》(2015)は、約14,000カットからなる油彩コマ撮りのアニメーションと実写を組み合わせ、近藤が監督から脚本・コンテの制作まで行った初の短編映画。人知れず死に向かっていた恋人との時間を回想しながら、残された立場の者が喪失感を抱きながらも前を向いて生き続けることを肯定する本作は、まさに「STILL ALIVE」を体現しています。大学院在籍時に直面した東日本大震災と、その後、身近な家族の喪失と誕生の経験が、「描くことは生きることそのもの」という画家の実践の源になっています。

近藤亜樹は2022年の「VOCA展」上野の森美術館(東京)に選出されたほか、2021年には山形美術館で包括的な個展を開催しました。同年の東京都内4か所での作品集刊行記念展「ここにあるしあわせ」など、各地で多数の展示を行っています。

主な作品発表・受賞歴
2022
「VOCA展」上野の森美術館(東京)
2021
「近藤亜樹―星、光る」山形美術館(山形)
2021
作品集刊行記念展「ここにあるしあわせ」シュウゴアーツ/フィリップス東京/現代芸術振興財団/代官山蔦屋書店(東京)
2020
「高松市美術館コレクション+ 身体とムービング」高松市美術館(香川)

展示情報

《ともだちになるためにぼくらはここにいるんだよ》2022
短編映画《HIKARI》2015

IC04

  • 国際芸術祭「あいち2022」展示風景
  • 《ともだちになるためにぼくらはここにいるんだよ》 2022
  • 撮影: ToLoLo studio
開館時間
10:00-18:00

※入館は閉館の15分前まで

上映情報
短編映画 《HIKARI》 2015
上映時刻
11:00 / 13:00 / 15:00 / 17:00

上映時間
33分

上映言語
日本語(英語字幕)
休館日
月曜日(祝休日は除く)
会場・アクセス
旧一宮市立中央看護専門学校(5階)
  • JR「尾張一宮」駅下車 徒歩16分
  • 名鉄「名鉄一宮」駅下車 徒歩16分