今、を生き抜くアートのちから

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レオノール・アントゥネスLeonor Antunes

  • 1972年リスボン(ポルトガル)生まれ。
  • ベルリン(ドイツ)拠点。

IC18

レオノール・アントゥネスは、特定の空間における彫刻の再解釈を通じて、現代美術、建築、デザインについて独自のアプローチを展開する作家です。20世紀の文化領域における重要な人物だけではなく、とりわけ社会的・政治的にラディカルでありながらも、アートやデザインを通じ日常生活の向上を願う女性アーティストやデザイナーたちの実践にインスピレーションを受けてきました。彼女の作品は、南米、メキシコ、ポルトガルの伝統の職人技を取り入れながら、ロープ、革、コルク、木、真鍮、ゴムなどの素材を用い、モダニズムのフォルムを彫刻で表現する可能性を考察します。

ここ墨会館は愛知県内に残る唯一の丹下健三が手がけたモダニズム建築であり、ダブルビームの大梁や、打放しのコンクリートというように、彼の初期作品の特徴が随所にみられます。そういった環境下で展示される本作は、日本に関係する美学的交流に関わった二人のデザイナーの仕事に触発されたものです。一人目は、1930年から2年間に渡ってデッサウにある芸術学校・バウハウスで学んだ山脇道子(1910〜2000)。二人目は、ル・コルビュジエのアトリエでも勤務し、前川國男や坂倉準三らとの交流から、1940年に商工省(現在の経済産業省)の装飾美術顧問として日本に招へいされた経験もあるシャルロット・ペリアン(1903〜1999)。アントゥネスは、彼女らによる当時の奮闘に敬意を払いながら、男性中心主義的に構築されてきたモダニズムを念頭に入れつつ、日本をめぐる多様な物語をいかに現代に蘇らせるのかを考えます。

レオノール・アントゥネスの最近の主な個展に、ルクセンブルク・ジャン大公現代美術館(Mudam)(2019)、The Box(2019、プリマス、英国)、サンパウロ美術館(2019、ブラジル)。第58回ヴェネチア・ビエンナーレ(2019、イタリア)ポルトガル館代表。パリのフェスティバル・ドートンヌ(2021、フランス)にも参加しています。

主な作品発表・受賞歴
2021
フェスティバル・ドートンヌ(パリ、フランス)
2019
第58回ヴェネチア・ビエンナーレ、ポルトガル館(イタリア)
2019
個展、サンパウロ美術館(ブラジル)
2019
個展、The Box(プリマス、英国)
2019
個展、Mudam(ルクセンブルク)

展示情報

《主婦とその領分》2021/2022

IC18

  • 国際芸術祭「あいち2022」展示風景
  • 《主婦とその領分》 2021/2022
  • 撮影: ToLoLo studio
開館時間
10:00-18:00

※入館は閉館の15分前まで

休館日
月曜日(祝休日は除く)
会場・アクセス
尾西生涯学習センター墨会館
  • JR「尾張一宮」駅または名鉄「名鉄一宮」駅下車 徒歩2分 バス停「一宮駅」名鉄バス乗車12分 バス停「尾張中島」下車徒歩9分