ARTISTSアーティスト
リリアナ・アングロ・コルテスLiliana Angulo Cortés
- 1974年ボゴタ(コロンビア)生まれ。
- ボゴタ(コロンビア)拠点。
AC28
アフリカ系コロンビア人であるリリアナ・アングロ・コルテスは、植民地時代から今日までに構築されてきたアフロ・アイデンティティに関する記録やイメージ、ステレオタイプに対して疑問を投げかけます。これまで様々なコミュニティを訪れ、アフリカン・ディアスポラが抱える困難を浮き彫りにし、記憶と権力が関係するあり様を考察してきました。彼女の実践は、コロンビア沖の波が太平洋を通じて日本沿岸に到達するように、アメリカ大陸の黒人が社会的抑圧に対していかに闘い、抵抗してきたかについて、人々に気づきと共感、連帯感を与えることを目指しています。
今回の展示は2つのパートで構成されます。一つ目の《パシフィック・タイム/民衆が諦めたりするものか!》は、コロンビアの太平洋地域のアフリカ系コロンビア人と先住民が直面した歴史的闘争や、アメリカ大陸の太平洋地域全体の不平等に対する闘いに触発されたものです。商品の輸出入だけに着目するのではなく、アメリカ大陸における「民衆」や「ブラックパワー・ムーブメント」の思想を通して、グローバルな文化の役割を考察しています。貧困や子供の死亡率の高さ、失業問題や教育不足で知られていた港町ブエナベントゥラでの市民ストライキの記録や、そこで掲げられた基本的人権と海洋環境保護の象徴である旗を展示しています。
二つ目は、アフリカからアメリカ大陸へ連行された人々が持ち込んだ、抵抗のための知識や、コミュニケーションとしての髪の編み込み文化の伝統を扱った《Still Hair:アフリカ系住民のコミュニティでの髪型とケアの実践の伝統に関する共同プロジェクト》です。この伝統は、植民地時代には奴隷から逃れるための暗号や地図として使われ、現在も人種差別という文脈においてパワフルなツールとなっています。写真、記録、インスタレーション作品は、編み込みの伝統的技法とその手入れの方法を示しています。
近年の参加展に「カトマンズ・トリエンナーレ2077」(2022、ネパール)、「Talking to Action: Art, Pedagogy and Activism in the Americas」(2017–2019、米国4か所巡回)などがあります。また、コロンビアの視聴覚表現会議「Wi Da Monikongo」や、ボゴタのグループ「Aguaturbia」などアフリカ系アーティストによる活動に加え、ブエナベントゥラの「Archive and Memory Group of Commune 6」にも関わっています。
- 主な作品発表・受賞歴
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- 2022
- カトマンズ・トリエンナーレ2077(ネパール)
- 2017-2019
- Talking to Action: アメリカ大陸におけるアート、教育学、アクティヴィズム、Pacific Standard Time: LA/LA(ロサンゼルス、米国)
展示情報
AC28
- 開館時間
- 10:00-18:00(金曜日は20:00まで)
※入館は閉館の30分前まで
- 休館日
- 月曜日(祝休日は除く)
- 会場・アクセス
- 愛知県美術館ギャラリー(8F)
- 東山線または名城線「栄」駅下車 徒歩3分
- 瀬戸線「栄町」駅下車 徒歩3分
関連情報
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