今、を生き抜くアートのちから

ARTISTSアーティスト

眞島 竜男Majima Tatsuo

  • 1970年東京都生まれ。
  • 滋賀県拠点。

AC43

アーティストの眞島竜男は、9名の愛知県内在住のプロジェクトメンバーとともに、三英傑(織田信長、豊臣秀吉、徳川家康)を通じて見えてくる「あいち」を「まるごと」詰め込んだ高さ5.4m、幅15.3mの壁画を制作しました。

リサーチでは、名古屋市内の地下通路や公共施設、駅構内に点在する複数の壁画や名古屋城の障壁画を見学しました。また、名古屋市美術館でメキシコ近代美術にみられる壁画運動について知り、当地の壁画がどのような手法でつくられているのかを調べていきました。さらに、「あいち」をどのような視点から「まるごと」つかむのか、愛知を象徴するモノやコトをさまざまな切り口から提案し合い、どのような素材で何をいかに描くか、メンバー同士でアイディアを出し合いながらプランを練っていきました。そして、「郷土三英傑」という言葉が、いつ、なぜ愛知との関わりで使われるようになったのか、歴史を専門とする研究者から話を伺いました。そのなかで、メンバーのルーツとしてだけではなく、近代的枠組みからの歴史的・概念的な「郷土」をめぐる視点もふまえ、「郷土・愛知」という視点からこの地を捉えていきました。

一方で眞島は、リサーチの焦点を名古屋を起点に同心円状に広げるのではなく、二つの焦点を設定することで生まれるかたちとして「楕円」をキーワードに掲げ、「尾張と三河」「信長・秀吉(尾張)と家康(三河)」「名古屋市と東栄町」「名古屋市と保見団地」「名古屋市と愛知県」「知多半島と渥美半島」などと複数の視点をもちながら愛知を眺めていきました。8階ラーニング・ルームの外側に設置される壁画は、色彩や言葉、三英傑の描き方に至るまで、リサーチのなかで出合った資料や表現からインスピレーションを受け制作されました。楕円をかたどった帯状のパネルの上に取り付けられたパーツは、すべて愛知県内で産出されたものです。

主な作品発表・受賞歴
近年の主な発表に、「山と群衆(大観とレニ)/四つの検討(TPAM 2019 Version)」blanClass(2019年、横浜)、「開く、折りたたむ、反転する、閉じる:河原温ダイアグラム(粘土)」「ラレー街11番地のFoujita/藤田」豊田市美術館(2016年、愛知)、「岡山芸術交流2016」岡山県天神山文化プラザ(2016年)、「PARASOPHIA : 京都国際現代芸術祭2015」京都市美術館(2015年)がある。

展示情報

《MA・RU・GO・TO あいち feat. 三英傑》2022

AC43

  • 国際芸術祭「あいち2022」展示風景
  • 《MA・RU・GO・TO あいち feat. 三英傑》 2022
  • 撮影: ToLoLo studio
開館時間
10:00-18:00(金曜日は20:00まで)

※入館は閉館の30分前まで

休館日
月曜日(祝休日は除く)
会場・アクセス
愛知県美術館ギャラリー(8F)
  • 東山線または名城線「栄」駅下車 徒歩3分
  • 瀬戸線「栄町」駅下車 徒歩3分