主な作品発表・受賞歴

2014

個展、ロングハウス・プロジェクツ（ニューヨーク、米国）

2009

個展、ギャラリーHAM（愛知）

2007

「消失点-日本の現代美術展」ニューデリー国立近代美術館（インド）／プロジェクト88（ムンバイ、インド）

展示情報

《READ・MADE》（1996）は、長編小説10冊の冒頭部分を画面下部に、文末部分を画面上部に配した紙を10枚並べた作品です。これらは、本の一部を拡大コピーし、一定の幅に合わせて切り貼りして撮影したものを和紙に摺るという方法で制作されました。ここで取り上げられている長大な物語を読んだとき、三輪は、畑の上を飛ぶ飛行機のように、上空から文字を見下ろしているような印象を受けたといいます。様々な本の一節がいったん解体されたのちに、中央に空白、上下にブロック状の塊（グレースペース）というひとつの形式に再構成されることによって、一列に並べられた作品群がまるで上から俯瞰したような統一感のある景観となって我々の前に現れます。

三輪は初期の頃から同一人物とは思えないほどスタイルの異なる作品を制作してきました。その制作態度からは、ひとりの画家としての確立した存在となることを避けようとする彼女の意思が感じられます。三輪の作品もまた、見る者の解釈をすり抜けることで完全な理解を拒み、作品を見る者との一定の距離を保とうとしているかのようです。そうすることで、「見る」という行為自体に私たちの目を向けさせようとしているのかもしれません。

三輪は愛知を中心に活動しており、1996–1997年にフィリップ・モリス財団の奨学金を受けてベルリンに滞在し、1998年にはスウェーデンの芸術交流プログラム・IASPIS（ストックホルム）のゲスト・アーティストに選ばれています。ニューヨークのロングハウス・プロジェクツや愛知のギャラリー HAMでの個展をはじめ、ニューデリーとムンバイを巡回したグループ展「消失点–日本の現代美術展」（2007）などに参加しています。

• 国際芸術祭「あいち2022」展示風景
• 《READ・MADE》 1996
• 撮影： ToLoLo studio

展示情報

山岳誌に掲載された写真をもとに描かれた油彩画《At the Top of the Mountain》（1990）は、画面の大きさと絵葉書のようなトリミングによって、写真以上の迫真性をもって私たちの前に現れます。同名のコラージュ作品に用いられた山頂を思わせる高山植物の絵葉書は、かつて三輪の祖父が御嶽山で入手したものです。三輪自らが粘土をこねて造り上げた立体物を描いた《STATUE（彫像）》（2009–2010）も、油彩画でありながらまるで彫刻のように平面を突き抜けてくるような感覚を見る者に与え、描き出された立体物は人物像にみられるようなある種の生命感と存在感を放っています。今回初めて公開される《LE BLEU DU CIEL》（1987年頃）は、フランスの哲学者ジョルジュ・バタイユの『青空』に着想を得て制作されました。水平方向の筆致を残した青一色で画面上部のみが塗られ、横一列に並べられた20枚の作品は、上空を思わせる高い場所に展示されてひとつの物語を紡いでいるかのようです。

三輪は初期の頃から同一人物とは思えないほど多様なスタイルの作品を制作してきました。その制作態度からは、ひとりの画家としての確立した存在となることを避けようとする彼女の意思が感じられます。三輪の作品もまた、見る者の解釈をすり抜けることで完全な理解を拒み、作品を見る者との一定の距離を保とうとしているかのようです。そうすることで、「見る」という行為自体に私たちの目を向けさせようとしているのかもしれません。

三輪は愛知を中心に活動しており、1996–1997年にフィリップ・モリス財団の奨学金を受けてベルリンに滞在し、1998年にはスウェーデンの芸術交流プログラム・IASPIS（ストックホルム）のゲスト・アーティストに選ばれています。ニューヨークのロングハウス・プロジェクツや愛知のギャラリー HAMでの個展をはじめ、ニューデリーとムンバイを巡回したグループ展「消失点–日本の現代美術展」（2007）などに参加しています。

• 国際芸術祭「あいち2022」展示風景
• 《青空/LE BLEU DU CIEL》 c.1987
• 《山頂にて》 1989
• 撮影： ToLoLo studio