今、を生き抜くアートのちから

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宮田 明日鹿Miyata Asuka

  • 1985年愛知県生まれ。
  • 三重県拠点。

AR09

有松・鳴海絞りの伝統と革新が共存する有松の地で、宮田明日鹿は芸術祭開幕のひと月半前から「有松手芸部」を立ち上げました。「手芸部」は、地域の人々や来場者とともに、編み物とお喋りを通じて新たなコミュニティを作ります。集った人々がそれぞれの編む知識や手芸にまつわるストーリーを持ち寄って交換し、「人生を編む」ことを互いに学び合う場の創出です。それは、戦前戦後の激動の時代を生き抜いてきた年長者の知恵を、世代を超えて共有する場にもなります。

宮田は、家庭用編み機や糸を用いた作品をつくるほか、2017年から名古屋市港区で、そして2021年には金沢市金石地区で、地域に根差した手芸部を企画運営してきました。伝統工芸や現代美術とは一線を画す「手芸的なものとは何か」を、宮田は私たちに問いかけます。手芸は家庭的または趣味的な活動と見なされ、経済活動の一端を担うものとは社会的に認識されず、繊維産業においても光の当たらない内職とされてきました。日本で「女性の手習い」として手芸が普及してから約100年が経った現代、宮田は手芸部を通して、家庭的な活動の社会性と学びの変化をリサーチしています。

有松手芸部の立ち上げに先立ち、有松の絞業者から入手した使用済みの括り糸をほどき、つないで糸玉を作る南医療生活協同組合との共同作業や、括り糸をリリヤーンの名でも親しまれてきたメリヤス編み糸に加工する2日間のワークショップが実施されました。それらは、会場で週一回開催される手芸部に参加する来場者のための素材や、会場内の装飾などに使用されています。手芸部が実施されていない日には、宮田が港まち手芸部で収録した参加者の言葉やインタビュー音声を聴くことができます。

主な作品発表・受賞歴
2021
「名古屋×ペナン同時開催展:名古屋文化発信局」Minatomachi POTLUCK BUILDING(愛知)
2021
「金石手芸部」金沢21世紀美術館主催「自治区 金石大野アートプロジェクト『かないわ楽座』」金石地区(石川)
2018
「織り目の在りか 現代美術 in 一宮」旧林家住宅(愛知)
2017-進行中
「港まち手芸部」(愛知)

展示情報

AR09

  • 国際芸術祭「あいち2022」展示風景
  • 撮影: ToLoLo studio
開館時間
10:00-17:00

※入館は閉館の15分前まで

休館日
水曜日
会場・アクセス
旧加藤呉服店
  • 名鉄「有松」駅下車 徒歩4分

関連情報

イベント情報

有松手芸部

日時:

1)2022年6月16日(木)〜7月までの木、金、土曜日、各日13:00~16:00(入退場自由)
*7月上旬以降の活動日は参加者の皆さんと別途相談します。

2)国際芸術祭「あいち 2022」会期中:2022年7月30日(土)〜10月10日(月・祝)までの木曜日、各日13:00~16:00(入退場自由)

会場:
旧加藤呉服店
対象:
どなたでも ※未就学児は、必ず保護者の同伴で参加してください。
参加費:
無料
申し込み:
不要、直接会場へお越しください。