今、を生き抜くアートのちから

ARTISTSアーティスト

塩田 千春Shiota Chiharu

  • 1972年大阪府生まれ。
  • ベルリン(ドイツ)拠点。

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主な作品発表・受賞歴
2020
個展、ニュージーランド国立博物館テ・パパ・トンガレワ(ウェリントン)
2019
個展「魂がふるえる」森美術館(東京)
2018
個展、南オーストラリア州立美術館(アデレード)
2018
個展、ヨークシャー彫刻公園(英国)
2015
第56回ヴェネチア・ビエンナーレ、日本館代表(イタリア)
2008
個展、国立国際美術館(大阪)
2008
芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞

展示情報

《標本室》2022

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看護専門学校時代、解剖学標本室だったこの部屋には、ガラスケースに残された標本とともに、ガラスや糸、針金を使った塩田千春の作品が展示されています。2017年、再発した卵巣癌のために抗がん剤治療を受け、死に直面した極限状態の感情やエネルギーから、多くの作品が生まれましたが、これら「Cell(細胞)」シリーズもそのひとつです。

異常化した細胞の固まりでもある癌が、自らの身体、ひいては生命を崩壊させようとするのに対し、人間の精神をつかさどる魂がどこにあるのか。この問いは、われわれがどこから来て、どこに行くのか、生と死の境界はどこにあるのかといった、塩田の初期から一貫する根源的な問いに連なるものでもあります。毛細血管のように糸や針金が絡み合うガラスは、内部にある細胞を包む膜とも、細胞に付随する不可視の魂を宿らせる器とも捉えることができるでしょう。

塩田千春は、京都精華大学で村岡三郎に師事した後、1996年に渡独。パフォーマンス・アートの先駆者でもあるマリーナ・アブラモヴィッチのもとで学び、以降、東西分断の記憶を宿すベルリンを拠点に国際的に活躍しています。2001年の第1回横浜トリエンナーレ(神奈川)で注目され、2008年には芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞、2015年には、第56回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展(イタリア)の日本館代表。2019年の森美術館(東京)での総合的な個展「塩田千春展:魂がふるえる」(アジア太平洋地域巡回中)のほか、350を超える展覧会や国際展に参加しています。

  • 国際芸術祭「あいち2022」展示風景
  • 《標本室》 2022
  • 撮影: ToLoLo studio
開館時間
10:00-18:00

※入館は閉館の15分前まで

休館日
月曜日(祝休日は除く)
会場・アクセス
旧一宮市立中央看護専門学校(2階)
  • JR「尾張一宮」駅下車 徒歩16分
  • 名鉄「名鉄一宮」駅下車 徒歩16分

展示情報

《糸をたどって》2022

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一宮市の「のこぎり屋根工場」の風景は、この地域を支えてきた毛織物産業を象徴しています。使われなくなった工場にスタジオやギャラリーという新たな命を与えた「のこぎり二」。その空間を埋めつくすのは、塩田千春の新作《糸をたどって》です。

赤や黒の毛糸を使った塩田のインスタレーションは、いまや国際的にも彼女の最も良く知られたシリーズのひとつです。赤は人と人をつなぐ運命の糸、血縁、あるいは体内の毛細血管などを連想させます。われわれはどこから来て、どこに行くのか、生と死の境界はどこにあるのかといった、根源的な問いに初期から取り組み、そこには見えない「不在のなかの存在」を表現してきた塩田。本芸術祭では、のこぎり二に残る毛織物の機械や糸巻きの芯などを、一宮市の毛糸を使ったインスタレーションに融合させ、この場所に生きた様々な命、労働、エネルギーの記憶を蘇らせています。

塩田千春は、京都精華大学で村岡三郎に師事した後、1996年に渡独。パフォーマンス・アートの先駆者でもあるマリーナ・アブラモヴィッチのもとで学び、以降、東西分断の記憶を宿すベルリンを拠点に国際的に活躍しています。2001年の第1回横浜トリエンナーレ(神奈川)で注目され、2008年には芸術選奨文部科学大臣新人賞、2015年には、第56回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展(イタリア)の日本館代表。2019年の森美術館(東京)での総合的な個展「塩田千春展:魂がふるえる」(アジア太平洋地域巡回中)を始め、350を超える展覧会や国際展に参加しています。

  • 国際芸術祭「あいち2022」展示風景
  • 《糸をたどって》 2022
  • 撮影: ToLoLo studio
開館時間
10:00-18:00

※入館は閉館の15分前まで

休館日
月曜日(祝休日は除く)
会場・アクセス
のこぎり二
  • JR「尾張一宮」駅または名鉄「名鉄一宮」駅下車 徒歩2分 バス停「一宮駅」名鉄バス乗車5分 バス停「篭屋」下車徒歩1分