今、を生き抜くアートのちから

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和合 亮一Wago Ryoichi

  • 1968年福島県生まれ。
  • 福島県拠点。

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2011年の東日本大震災の直後、福島を拠点にする詩人の和合亮一は、ツイッターに一連の詩を投稿し始めました。「放射能が降っています。静かな夜です」「本日で被災六日目になります。物の見方や考え方が変わりました」「どんな理由があって命は生まれ、死にに行くのか。何の権利があって、誕生と死滅はあるのか。破壊と再生はもたらされるのか」(2011年3月16日)などの詩です。和合はその後も日本や故郷を考える言葉を発し続け、後に『詩の礫』(2011年)としてまとめました。このように日常が根底から大きく揺らいだとき、生命が脅かされたとき、「物の見方や考え方が変わる」ことを、パンデミックでも世界中の多くの人が意識したことでしょう。和合は東日本大震災以降も、コロナ禍、そしてウクライナ侵攻などに際して、多くの言葉を発しています。こうした活動は言葉、詩という芸術の力をまさに詩人による行動そのもので示しているものと言えるでしょう。

本展では、福島震災時に被災地の前線から現状報告のような形で発表した『詩の礫』、コロナ禍による2020年4月の緊急事態宣言から同年8月まで書き続けた『詩の礫』を再構成した「Ladder」、ロシアによるウクライナ侵攻以降、ハルキウのシェルターに避難しながら言葉を綴り、映像を記録してきたアーティストのオリア・フェドロバと和合の往復書簡をまとめた「Shelter」という、三つの異なる時間と場所からツイッターへと生みだされた言葉を展示しています。私たちは、それぞれの困難な「今」をいかに生き抜こうとしてきたのかを、凝縮された言葉から想像します。

和合はまた、自身の表現のプラットフォームであるツイッターのタイムライン上で、自分以外の詩の書き手、表現者とのコラボレーションも呼びかけてきました。本展ではさらに一般鑑賞者も会期中に参加できるプラットフォーム「#愛の礫」を創出し、「言葉のデモ行進」のように不特定多数の声を共同で発信することを試みています。

主な作品発表・受賞歴
2019
第27回萩原朔太郎賞受賞
2017
第1回ニュンク・レビュー・ポエトリー賞外国語部門(フランス)
2011
詩集『詩の礫』徳間書店
2006
第47回晩翠賞受賞
1998
第4回中原中也賞受賞
  • 国際芸術祭「あいち2022」展示/パフォーマンス風景
  • 《詩の礫 2022》 2011-2022
  • 撮影: ToLoLo studio

展示情報

『詩の礫 2022』2011-2022

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開館時間
10:00-18:00(金曜日は20:00まで)

※入館は閉館の30分前まで

休館日
月曜日(祝休日は除く)

英訳『詩の礫2022』“Pebbles of Poetry 2022” (English) (PDF/32.1MB)

Translator
Jeffrey Angles, Ayamachi Hirakawa, Yoko Neg, Tomoyuki Endo

Note “Shelter” (English and Japanese) (PDF/2.5MB)

会場・アクセス
愛知県美術館(10F)
  • 東山線または名城線「栄」駅下車 徒歩3分
  • 瀬戸線「栄町」駅下車 徒歩3分

展示情報

《#愛の礫》2022

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開館時間
10:00-18:00(金曜日は20:00まで)

※入館は閉館の30分前まで

休館日
月曜日(祝休日は除く)

英訳『詩の礫2022』“Pebbles of Poetry 2022” (English) (PDF/32.1MB)

Translator
Jeffrey Angles, Ayamachi Hirakawa, Yoko Neg, Tomoyuki Endo

Note “Shelter” (English and Japanese) (PDF/2.5MB)

会場・アクセス
愛知県美術館ギャラリー(8F)
  • 東山線または名城線「栄」駅下車 徒歩3分
  • 瀬戸線「栄町」駅下車 徒歩3分