今、を生き抜くアートのちから

ARTISTSアーティスト

西瓜姉妹(ウォーターメロン・シスターズ)Watermelon Sisters

  • 2017年にコラボレーション開始。
  • 台北(台湾)/ベルリン(ドイツ)拠点。
  • 余政達(ユ・チェンタ) 1983年台南(台湾)生まれ。
  • 黄漢明(ミン・ウォン) 1971年シンガポール生まれ。

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ウォーターメロン・シスターズは、台北を拠点にするユ・チェンタと、ベルリンをベースに活動しているミン・ウォンによるパフォーマンス・デュオ。1960年代の京劇映画や台湾の映画監督・蔡明亮の作品からインスピレーションを受けたこのプロジェクトは、自らの性自認を流動させつつ、ブッチ/フェム(男性的/女性的)集団出身のクィア姉妹として、人間の性的解放への道をヒップホップダンス「トワーク」で応援すべく結成されました。

かつて看護専門学校の講堂兼視聴覚室であった本会場では、空間全体を使ったインスタレーションを展開。カーテンを抜けるとまず現れる《Watermelon Love》は、2017年にLGBTQをテーマとしたサーベイショーのために制作され、台湾の司法院大法官会議が同性婚を合憲と解釈したことがもとになった映像作品です。境界を定めることに躍起になり、愛し合うことをしない人類に向け、天界から舞い降りてきたウォーターメロン・シスターズが「お互いに抱きしめ合うの」と、人間界を激励するような内容となっています。

また、斜めの壁から奥に覗く小さな彫刻は、当施設がかつて看護学校であったことから着想された新作です。彼女/彼らの3Dアバターを模したフィギュアは、第三者団体を通じて販売され、その売上金は国内の看護団体に寄付されます。世界的な感染症の流行に対して尽力した医療従事者や、約30年の間に844名の卒業生を輩出した本教育機関に敬意を込めた作品です。これらの活動は、この現代や瞬間をどう生き抜くのかを考えるための、そもそものモチベーションである多様な「生/性」を肯定します。

ウォーターメロン・シスターズがこれまでに参加した主な展覧会・イベントに、「Queering Now: Dreamality, Chinese Arts Now」(2021、ロンドン、英国)、「Diagonal」Magician Space(2020、北京、中国)、「Queering Umwelt」Tao Art Space(2020、台北、台湾)、「Watermelon Sisters Go Camping in Paris」国立ダンスセンター(2019、パンタン、フランス)などがあります。

※トワーク:
ヒップホップ・バウンスのカルチャーの一つとして生まれた、前かがみになり腰を落として激しくお尻を振るダンスの一種。

主な作品発表・受賞歴
2021
「Queering Now: Dreamality, Chinese Arts Now」(ロンドン、英国)
2020
「Diagonal」Magician Space(北京、中国)
2020
「Queering Umwelt」Tao Art Space(台北、台湾)
2019
「Watermelon Sisters Go Camping in Paris」国立ダンスセンター(パンタン、フランス)

展示情報

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  • 国際芸術祭「あいち2022」展示風景
  • 《ウォーターメロン・アバター》 2020
  • 撮影: ToLoLo studio
開館時間
10:00-18:00

※入館は閉館の15分前まで

休館日
月曜日(祝休日は除く)
会場・アクセス
旧一宮市立中央看護専門学校(4階)
  • JR「尾張一宮」駅下車 徒歩16分
  • 名鉄「名鉄一宮」駅下車 徒歩16分