今、を生き抜くアートのちから

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眞田岳彦「あいちNAUプロジェクト《白維(はくい)》」を先行公開します

  • 2022年7月4日

眞田さん縄画像.JPG

 7月30日(土)から10月10日(日・祝)にかけて国際芸術祭「あいち2022」を開催します。開幕に先駆け、参加アーティストの眞田岳彦による新作「あいちNAUプロジェクト《白維》」を、展示場所となる一宮市役所において、7月4日(月)から公開いたします。
「あいちNAUプロジェクト」は、本年4〜5月に、愛知県内の7つの美術館・博物館の協力を得て、各地の土地や繊維にまつわるトーク及び一般の参加者がウールで縄を綯(な)うワークショップを実施してきました。
 この度、プロジェクトの成果物として、ワークショップ参加者が綯った縄を眞田岳彦が一つにまとめあげた造形作品《白維(はくい)》、プロジェクトについての展示パネル及び記録映像を一宮市役所にて以下のとおり展示・公開いたします。眞田が各地の協力者や参加者とともに見出した「今、を生き抜くアートのちから」の結集をぜひご覧ください。

1 先行公開概要
(1)作品情報
アーティスト:眞田岳彦
作品名:あいちNAUプロジェクト《白維(はくい)》 
制作年:2022年
素材:英国羊毛(サウスダウン種)、テキスト、映像
(2)公開場所:一宮市役所 1階 総合案内前
(3)先行公開期間:7月4日(月)〜7月29日(金)平日8:30~17:15
※7月30日(土)~10月10日(月・祝)の「あいち2022」開催期間中は、毎日作品をご覧いただけます

2 アーティスト

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眞田岳彦(さなだ たけひこ)
造形家/繊維研究家

1962年 東京生まれ。幼少から画家であった父に絵画を習い、ISSEY MIYAKE でデザインを学び渡英。北極圏グリーンランド滞在を経て、彫刻家Richard Deaconにアートを学び独立。20代から世界各地を巡る異文化体験、国立民族学博物館外来研究員等の経験から新潟県、千葉県、東京都、兵庫県、広島県、熊本県など各地で、日本の伝統繊維再興プロジェクトを開催。また、国内外展覧会参加、企業へのアートディレクション、大震災後の心の支援活動、次世代育成組織主宰、視覚障がい者学習会等の活動を行う。現在、眞田造形研究所主宰。女子美術大学・大学院教授、東北芸術工科大学客員教授、武蔵野美術大学や愛知県立芸術大学等の非常勤講師を務める。

アーティストからのメッセージ

愛知に生きる人々の豊かさとは何か。それは約120 万年前頃まで存在したとされる東海湖が培った土地の" ちから" によるものではないかと私は考えました。
湖畔に蓄積した土が陶磁文化を生み、広大な平野に植生する植物が繊維文化を育みました。人々はこの土地で生きるために左右の手をすり合わせて、土を「陶い」食器をつくり、植物を「綯い」身体の器となる衣類をつくりました。また、桑を植えて養蚕を行い、棉を栽培して糸をつくり、編組織を行って暮らしをたて、その繊維関連技術は羊毛産業を育み、自動車、航空・宇宙産業へと可能性を広げました。
本企画では、愛知の人々の生命を育み継いできた各地域の繊維文化に焦点を当て、県内6 都市7 美術館・博物館とともに「今、を生き抜くアートのちから」を探求します。ぜひ作品を観賞して、愛知の豊かさを感じてください。 

眞田岳彦

3 その他
作品の制作にあたっては、次の方々にご協力をいただきました。
<連携協力>
豊橋市美術博物館、一宮市三岸節子記念美術館、安城市歴史博物館、愛知県陶磁美術館、豊田市近代の産業とくらし発見館、一宮市博物館、知多市歴史民俗博物館
<寄稿協力>
愛知大学中部地方産業研究所研究員 天野武弘、あいち産業科学技術総合センター 尾張繊維技術センター・三河繊維技術センター、蒲郡市博物館
<調査/取材協力>ニッケ(日本毛織株式会社)、繊研新聞社、女子美術大学歴史資料室
<後援>英国羊毛公社日本支部