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国際芸術祭「あいち2022」閉幕に際してのお礼と報告

  • 2022年10月11日

7月30日(土)に開幕した国際芸術祭「あいち2022」が、昨日、10月10日(月・祝)に閉幕いたしました。73日間にわたる会期中、487,834人(速報値)の方にお越しいただきました。
皆様のご来場とご協力にお礼申し上げます。

 
大林会長挨拶
 国際芸術祭「あいち2022」は、10月10日をもって73日間の会期を終え閉幕しました。
 新型コロナウィルス感染症拡大の影響がありながらも、​48​万人を超える方々に会場に足をお運びいただきました。ご来場いただきました皆様に、厚くお礼申し上げます。
 また、素晴らしい作品を出品いただいたアーティストを始め、会場を提供いただいた方々や協賛企業、報道関係者、会場運営をサポートいただいたボランティアの方々など、本当に多くの皆様に支えていただき、無事、会期を終えることができました。改めて、開催にご支援・ご協力いただきました全ての皆様に心より感謝申し上げます。
 「あいち2022」は、私が会長となって初めての国際芸術祭でした。コロナ禍での開催となり、海外からの入国が制限されていたことは残念ではありますが、2010年から開催されてきた「あいちトリエンナーレ」のレガシーを引き継ぎながら、国内最大規模の都市型の国際芸術祭として魅力あふれる芸術作品を皆様に提供できたのではないかと思います。
 私自身、何度も会場を訪れましたが、世界各地のアーティストによる「生きることの根源的な意味」を問う素晴らしい作品に出会い、多様な価値観に触れ大変心躍る体験をしました。
 また、地場産業や伝統工芸を踏まえた作品、或いはまちの風景を通じて、毛織物や染織、陶芸を始めとした愛知という地域の歴史や文化を感じることができ、改めて愛知のポテンシャルの高さに気づかされました。
 「あいち2022」は閉幕しましたが、この芸術祭での体験や繋がりが皆様の中に生き続け、明日を生きるエネルギーとなることを願っています。
 そして、今後も「あいち」の国際芸術祭が幅広い方々に親しまれ、愛知から世界へ、最先端の芸術文化とともにこの地域の魅力が発信されていくことを期待しています。


片岡芸術監督挨拶
 国際芸術祭「あいち2022」を無事に終えられることを、大きな安堵感とともに心から嬉しく思います。コロナ禍に始まり、入国制限大幅緩和の直前まで、不確実性の只中で準備・開催された国際展でした。そのなかで、芸術祭のテーマ「STILL ALIVE」を通して問い掛けた、生きることの根源的な意味、今を生き抜くための芸術や芸術祭のちから。キュレーターや世界各地のキュレトリアル・アドバイザーがこのテーマに応答し、そこから派生して選ばれた100名(組)のアーティストがそれぞれの立ち位置から応答を見せ、48万人の観客のみなさんがそれぞれに感受してくださいました。
 愛知芸術文化センターという美術館・劇場空間での展示や公演に対し、一宮市、常滑市、有松地区(名古屋市)の会場では、街の歴史、産業史、伝統文化が浸透する空間の磁力によって作品の意味が幾重にも深まりました。国際性か地域性かの二項対立に陥るのではなく、その双方を妥協無く共存させられるのか。愛知と世界との対話からじつにさまざまな価値観相互の繋がりを実感できるのか。現代美術、パフォーミング・アーツ、工芸、ラーニングなどの領域をそれぞれ深めながら、そこに通底する芸術の本質に至ることができるのか。過激さや派手さによる衝撃ではなく、それぞれの作品や作家に真摯に向き合うことで、想像力を介して他者への共感がもたらされるのか。こうした試みがどのような結果に繋がったのかは、国際芸術祭「あいち2022」に関わった、そして鑑賞したすべての方々のこれからの時間に明らかになることでしょう。今回の体験がみなさんの今後の人生にポジティブに活かされる、まさに「STILL ALIVE」なものとなれば、これにまさる喜びはありません。