展示・公演等
AKNプロジェクト
AKN PROJECT
- パフォーミングアーツ
- 愛知芸術文化センター
公演情報
新演出演劇喜劇『人類館』
「彼らも私たちと同じ人間なのに……」
沖縄・日本・アメリカを巡って今も続く歴史に、記念碑的傑作の新演出が「ドンデン返し」を試みる
今も沖縄に多大な影響を残している劇作家・知念正真の代表作『人類館』(初演1976年/岸田戯曲賞受賞)は、1903年の「人類館事件」を起点に、皇民化教育、沖縄戦、米軍統治とベトナム戦争、72年の本土「復帰」を織り込み、沖縄を巡る歴史を白昼夢のような手法で示した記念碑的傑作である。本作では、娘の知念あかねが2020年に立ち上げたAKNプロジェクトにより、3度目のリ・クリエーションに挑戦。共同演出には沖縄から新進気鋭の新垣七奈、舞台美術に佐々木文美、ドラマトゥルクに林立騎を迎え、戯曲を“喜劇”として捉え直すことで、強さと弱さ、無関心と苦しみ、ゲートの内と外、国家の中心と周縁といった現在に至るまで続く関係の反転を試みる。
日時
-
- 終演後トークあり
- 託児サービスあり
- バリアフリー日本語字幕付き
-
- リラックス・パフォーマンス公演
- 託児サービスあり
- バリアフリー日本語字幕付き
- 終演後トークあり
- 託児サービスあり
- バリアフリー日本語字幕付き
-
- 託児サービスあり
- バリアフリー日本語字幕付き
会場
愛知県芸術劇場 小ホール(B1F)
(名古屋市東区東桜1-13-2)
上演時間
110分(予定)
使用言語
沖縄口、沖縄大和口(英語字幕あり)
チケット料金
- 一般
- 3,500円
- U25
- 2,000円
※当日券は、一般・U25一律で前売券価格+500円
※前売券のみ、ペアチケットを6,500円で販売
座席
自由席
キャスト・スタッフ
- 出演:
- 井上あすか、神田青、仲嶺雄作
- 作:
- 知念正真
- 演出:
- 知念あかね、新垣七奈
- ドラマトゥルク:
- 林立騎[那覇文化芸術劇場なはーと]
- 舞台美術:
- 佐々木文美
- 衣装:
- 藤谷香子
- 音響プラン:
- 山口剛
- 照明プラン:
- 棚原栄作
- 制作:
- 喜舎場梓
土屋わかこ、村上佳子[那覇文化芸術劇場なはーと]
- 共同製作:
- 那覇文化芸術劇場なはーと、国際芸術祭「あいち」組織委員会
- 企画制作:
- 那覇文化芸術劇場なはーと、AKNプロジェクト、国際芸術祭「あいち」組織委員会
公演チラシ
後日、公開します。
その他
11月1日(土)〜3日(月・祝)に戦後80年特別企画として那覇文化芸術劇場なはーとでも上演されます。
プロフィール・作品情報
- 2020年沖縄県で発足。沖縄県拠点。
1978年、『人類館』によって沖縄出身で初めて岸田戯曲賞を受賞した劇作家・知念正真(1941–2013年)。その作品を継承するため、娘の知念あかねが2020年に発足した「AKNプロジェクト」が、「戦後」80年を迎える今年、『人類館』を喜劇として同時代に応答した新たなアプローチで演出する。
1976年に初演された『人類館』は、1903年の「人類館事件」を起点に、皇民化教育、沖縄戦、米軍統治、本土「復帰」を織り込み、沖縄を巡る歴史を鋭く風刺した記念碑的作品である。いま「AKNプロジェクト」が本作に取り組むのは、「『人類館』の可能性が汲み尽くされておらず、現代に訴えるものがあるから」だという。知念正真が愛した「ごっこ遊び」と「ドンデン返し」に思いを馳せ、彼らはさらにこう続ける。
「演劇に力があるとすれば、それは私たちの小さな“ごっこ遊び” が、強さと弱さの、無関心と苦しみの、ゲートの内側と外側の、国家の中心と周縁の、社会の固定された関係に“ドンデン返し”をもたらす可能性を示すときではないか」と。
本作は、知念あかねが那覇文化芸術劇場なはーとと挑戦する2度目のリ・クリエーション。ドラマトゥルクになはーとから林立騎、共同演出に新垣七奈、舞台美術に佐々木文美を迎え、「喜劇」としての『人類館』に挑む。
- 主な発表歴
-
- 2022
- 喜劇『人類館』那覇文化芸術劇場なはーと(沖縄)
- 2021
- 喜劇『人類館』オンライン配信
キャスト・スタッフ
スタッフ
作
知念正真 (ちねん・せいしん)
知念正真 (ちねん・せいしん)
劇作家。沖縄市生まれ。コザ高校卒業後、東京の二松学舎大学に入学するも中退。その後、劇団青年芸術劇場に研究生として入団、1963年に退団し、帰郷。コザを拠点に活動していた演劇集団「創造」に加わり、俳優・演出家として活躍。72年には『ジェット機は南の空を』を執筆し、劇作家としても活動を開始。76年に第二作となる『人類館』を発表し、「創造」で上演。1903年の大阪・第5回勧業博覧会会場近くで“人間の展示”を行った「学術人類館」に発する「人類館事件」を出発点に、日本語、沖縄口、沖縄大和口を織り交ぜ、場面展開にも実験性を持たせた本作は、沖縄演劇史にとって記念碑的な作品となった。初演後、戯曲は「新沖縄文学」に発表されたのち、77年に雑誌「テアトロ」に掲載され、78年には沖縄の作家として初の岸田戯曲賞を受賞した。その後も基地の街コザを舞台にした悲喜劇『コザ版どん底』『コザ版ゴドー』、ヤンバル(沖縄島北部)の希少動物と環境問題について考える『命かんぱ』、⻄表島の炭坑を舞台にした『幻のX調査隊』など、沖縄の地から「人間」が抱える様々なテーマとメッセージを込めた作品を数多く残した。

クリエイティブチーム
知念あかね、新垣七奈、林立騎、佐々木文美、藤谷香子、山口剛、棚原栄作
知念あかね、新垣七奈、林立騎、佐々木文美、藤谷香子、山口剛、棚原栄作
演出
知念あかね(ちねん・あかね)
沖縄県那覇市出身。演奏家、音楽講師。幼少期より音楽を学び、演奏活動と指導等、⻑年クラシック音楽の普及に携わる。2013年に亡くなった父・知念正真の作品の継承のために2020年に「AKNプロジェクト」を発足。知念正真の作品を中心に、戯曲、音楽、文学等の芸術活動を通して「沖縄の若年層が楽しめる舞台作り」をテーマに活動。2021年にコロナ禍で『喜劇・人類館』(演出:上江洲朝男)の配信上演をプロデュースし、2022年には那覇文化芸術劇場なはーとにて沖縄「復帰」50年特別企画として上演(演出:佐藤尚子、知念あかね)した。
演出
新垣七奈(あらかき・なな)
演劇ユニット多々ら主宰。高校から演劇を始め、2016年にユニットを結成。これまでのユニット公演ではすべての作品の演出を行う。演劇人コンクール2024にて奨励賞受賞。俳優として外部作品に多数出演。近年の主な出演作には、2020年コロナ禍でオンラインの開催が話題となった九州・沖縄版『未開の議場』オンライン(作:北川大輔)や、2021年神里雄大が演出した『琉球怪談』(原作:小原猛、演出:神里雄大)、2023年なはーとプロデュースによる出会いシリーズ1『声』(原作:ジャン・コクトー、演出:和田ながら)に出演している。
ドラマトゥルク
林立騎(はやし・たつき)
翻訳者、演劇研究者。現在、那覇文化芸術劇場なはーと企画制作グループ統括。訳書にイェリネク『光のない。』、レーマン『ポストドラマ演劇はいかに政治的か?』(ともに白水社)。イェリネク作品の翻訳で小田島雄志翻訳戯曲賞を受賞(2012年)。2005年より高山明の演劇ユニット Port B に、2014年より相馬千秋のNPO法人芸術公社に参加。東京藝術大学特任講師(2014-2017年)、沖縄アーツカウンシルプログラムオフィサー(2017-2019年)、ドイツの公立劇場ドラマトゥルク(2019-2021年)を経て、2022年より現職。
舞台美術
佐々木文美(ささき・あやみ)
セノグラファー。快快(FAIFAI)メンバー。多摩美術大学造形表現学部映像演劇学科卒。演劇、ダンス、音楽、展示などに舞台美術、セノグラファーとして参加したり、レクチャーパフォーマンスもする。近年の舞台美術としての参加作品に、Dr. Holiday Laboratory「想像の犠牲」(作・演出:山本ジャスティン伊等)、愛知県芸術劇場 x Dance Base Yokohama パフォーマンスセレクション2024「間の時間」岡田利規 × 酒井はな「ジゼルのあらすじ」、北九州芸術劇場キタゲキローカルアーティスト協働プログラム「シワノヴァ」(振付・演出:太めパフォーマンス)など(いずれも2024年)がある。
衣装
藤谷香子(ふじたに・きょうこ)
衣装家。快快(FAIFAI)メンバー。きゅうかくうしおにも所属。多摩美術大学在学中より衣装家として活動を始め、国内外の演劇、ダンス、オペラ、コンサート、現代美術の作品や芸術祭でのパフォーマンス作品に参加し、多岐にわたる分野で活動を行う。その他の活動として、宣伝衣装、美術館でのワークショップ、講師として授業なども行う。近年では岡田利規の演劇作品、金氏徹平の現代美術作品、角銅真実、中村佳穂など音楽家へのスタイリング、近藤良平(コンドルズ)×永積崇(ハナレグミ)「Great Journey」シリーズに参加。
音響プラン
山口剛(やまぐち・ごう)
愛知県出身。大学在学中からフリーランスとして様々なイベントやミュージシャン等のオペレートを担当し、2009年に音響技術を専門とする合同会社ネクストステージを設立。
コンサートやイベントの音響を主軸とし、演劇やインスタレーション、コンテンポラリーダンス等の音響デザインも手がける。
近年の作品制作ではマルチチャンネルスピーカーや立体音響技術などを活用しながら、常識にとらわれない音響表現をテーマに音響デザインを行っている。
照明プラン
棚原栄作(たなはら・えいさく)
舞台照明家。沖縄県出身。ホール管理会社、舞台照明会社を経て独立し、幅広い舞台芸術に関わる。2021年『株式会社エムエルスタジオ』を立ち上げ、現在に至る。主な分野は、演劇、ミュージカル、バレエ、音楽コンサート等。沖縄ラフ&ピース専門学校照明講師。
第41回(2021年度)日本照明家協会賞新人賞、第44回(2024年度)日本照明家協会賞優秀賞を受賞。

- Photo: 仲間勇太
- (左側手前から)
知念あかね、棚原栄作、藤谷香子、山口剛 - (右側手前から)
新垣七奈、津嘉山弘、林立騎、佐々木文美、屋比久夏芽
キャスト
出演
井上あすか、神田青、仲嶺雄作
井上あすか、神田青、仲嶺雄作
井上あすか (いのうえ・あすか)
南城市出身。学生時代、同級生が舞台に立つ姿を観て感動し、芝居を始める。過去出演作に、わらび座『笑いはつづく GO ON!GO ON!』(作・演出:大関弘政)、特撮ドラマ『琉神マブヤ―』シリーズ、FODドラマ『ゲート・オン・ザ・ホライズン』などがある。なはーとでは、2023年『ぼくはみんながだいすき』(作・演出:新垣七奈)、2024年『ゼチュアンの善人』(上演台本・演出:新井章仁)、2025年『花売の縁 オン(ザ)ライン』(演出・振付:白神ももこ、作・演出:兼島拓也)に出演。そのほか舞台衣装制作や、連続ドラマW『フェンス』、短編映画『おかあの羽衣』の方言指導も行っている。
神田青 (かみだ・せい)
「わが街の小劇場」で育ち、ラオス、タイでの活動を経て、『ギ兄弟 3on3』(作・演出:パクファナム)にて、タイバンコク演劇祭(BTF2019)でBest International Performance Awardを受賞。主な出演作には、『ライカムで待っとく』(作:兼島拓也、演出:田中麻衣子)、『霞色のライラック』(作:稜一朗、演出:米倉リエナ)、『ジョンマイラブ』(作・演出:横内健介)、『少年口伝隊1945』(作・井上ひさし、演出:栗山民也)など。映像では、『逃走』(監督:足立正生)、『宝島』(監督:大友啓史)、『唐人街探索3』(監督:陳思誠)、TBS『クジャクのダンス誰が見た』や『おきなわテレビはじまりものがたり』、『阿麻和利 the last hero』などに出演し、幅広く活動している。
仲嶺雄作 (なかみね・ゆうさく)
1996年、演劇集団創造『仲村渠鉄男くんのパーマネントバケーション』に出演。2010年には古堅晋臣と演劇ユニット「ukulelebowl(ウクレレボウル)」を始動。2013年「わが街の小劇場」(那覇市)にて、月1回の公演等に参加。2018年、利賀演劇コンクールに、わが街の小劇場のメンバーとして参加。三島由紀夫の「弱法師(よろぼし)」(演出:福永武史)を上演。2022年には沖縄・復帰50年現代演劇集 in なはーと「9人の迷える沖縄人(うちなーんちゅ)」(作:安和学治、国吉誠一郎、演出:当山彰一)に出演。2022年 AKNプロジェクト『喜劇 人類館』(演出:佐藤尚子、知念あかね)に陳列された男で出演。2024年リーディング試演会『ゼチュアンの善人』(上演台本・演出:新井章仁)では水売りのワン役。沖縄県内の小劇場を中心に活動を続ける。

- Photo: 仲間勇太
- (左側から)
仲嶺雄作、井上あすか、神田青
鑑賞サポート
- 【観劇に際してのご注意】
-
- 作品の上演言語は、沖縄口、沖縄大和口です。
- 未就学児の観劇はできません。保護者の方のみ観劇される場合は、託児サービスをご利用ください。
- 車いすでご来場の方は、アイ・チケット《TEL 0570-00-5310》までご連絡ください。
- 【託児サービス】
- 託児サービスを実施します。原則事前申し込みが必要です。詳細は、託児サービスのご案内をご覧ください。
- 【ミート・ザ・アーティスト(対象公演: 、)】
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上演後に会場にて出演者・演出家等によるトークを実施します。該当回をご観劇の方はそのまま参加いただけます。予約は不要です。
- UDトークによる文字支援をします。
- 【リラックス・パフォーマンス(対象公演: )】
-
鑑賞マナーをゆるくする「リラックス・パフォーマンス」を実施します。少し声が出たり、途中入退場したりしても大丈夫です。
ロビーに休憩エリアや舞台が鑑賞できるモニターを設置します。
詳細は、リラックス・パフォーマンスをご希望の方へをご覧ください。 - 【バリアフリー日本語字幕付き公演(対象公演: 全公演)】
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聴覚に障がいのあるお客様向けに、バリアフリー日本語字幕をお持ちのデバイスに表示するシステムが利用可能です。事前申込が必要です。
ご希望の方は、国際芸術祭「あいち」組織委員会事務局(パフォーミングアーツ)までお申し込みください。以下の項目をお知らせください
【件名】人類館 日本語バリアフリー字幕利用希望- 氏名(よみ)
- 希望する公演回
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※バリアフリー日本語字幕とは、公演の「音」が伝えている情報を文字にして表示する字幕のことです。
問合せ・申込先:
国際芸術祭「あいち」組織委員会事務局(パフォーミングアーツ)
電話番号: 052(971)3111
メールアドレス: performingarts@aichitriennale.jp