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国際芸術祭あいち2025、テーマ:灰と薔薇のあいまに、会期:2025年9月13日(土)から11月30日(日)79日間、会場:愛知芸術文化センター/愛知県陶磁美術館/瀬戸市のまちなか国際芸術祭あいち2025、テーマ:灰と薔薇のあいまに、会期:2025年9月13日(土)から11月30日(日)79日間、会場:愛知芸術文化センター/愛知県陶磁美術館/瀬戸市のまちなか

展示・公演等

浅野友理子

Asano Yuriko

  • 現代美術
  • 愛知芸術文化センター

展示情報

  • 国際芸術祭「あいち2025」 展示風景
  • 浅野友理子
  • ©︎ 国際芸術祭「あいち」組織委員会
  • 撮影:ToLoLo studio
作品解説

浅野友理子は、土地固有の食文化や植物の利用法を学ぶためにさまざまな地域を訪れ、出会った人々とのやりとりや自身の体験をなぞり、その地域で受け継がれてきたものを記録するように絵画を制作しています。浅野の作品は、単に植物の姿を描くことにとどまらず、地域に長く伝わる知恵や知識に着目し、現代社会で失われつつある人と自然との共生や、人間以外の生きものに対する視点など、さまざまな主体を軸にすることで見えてくる現代的な問題意識を内包しています。
平安時代からやきものづくりが続くこの地域では、木々は燃料として利用され、その灰は釉薬の原料となってきました。このような営みはハゲ山を生み出し、時に水害をもたらしました。しかし、それは必ずしも一方的な破壊ではなく、木々の伐採によって日照を得て守られた固有種も存在するなど、人と自然との複雑なせめぎ合いの歩みが地層のように刻まれているのです。
浅野は「あいち2025」に際し、瀬戸の植生や、やきものづくりと植物の関係性に焦点を当てています。この地では、水を透しやすく栄養に乏しい砂礫層や、逆に栄養が保たれやすい花崗岩層など、地質によって多様な植物の姿を見ることができます。瀬戸を歩いて出合った植物をモチーフとして絵付けを施し、一部には灰をかけ、大皿という形式で表現しました。そこには瀬戸で営々と繰り返されてきたやきものづくりと、それを取り巻く自然との関わりが示唆されています。

会場

愛知芸術文化センター 8F
愛知県美術館ギャラリー

プロフィール

  • 1990年宮城県生まれ。宮城県拠点。

浅野友理子は、その土地の食文化や植物の利用法を学ぶためにさまざまな土地を訪ね、出会った人々とのやりとりや自身の体験をなぞり、その土地で受け継がれてきたものを記録するように絵画を制作している。それらの作品は、単なる植物画にとどまらず、土地に長く伝わる知恵や知識に着目し、現代社会で失われつつある人と自然との共生や、人間以外の生き物に対する視点、生命の循環、あるいは女性の労働など、きわめて現代的な問題意識を内包している。そしてその色彩豊かで生命力にあふれる絵画作品を通じ、浅野はこの豊かな世界を祝福している。

主な発表歴
2024
「アーティスト・イン・レジデンス プログラム2024 “SPINNING SCAPES”」国際芸術センター青森
2024
みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2024、山形市蔵王体育館 小競技場
2023
個展「種の温床」SNOW Contemporary(東京)
2023
「土とともに美術にみる〈農〉の世界―ミレー、ゴッホ、浅井忠から現代のアーティストまで―」茨城県立近代美術館
2019
「青森EARTH2019 いのち耕す場所 農業がひらくアートの未来」青森県立美術館
  • 《休らう薬草》 2020
  • 個人蔵