アーティスト

バーシム・アル・シャーケルBassim Al Shaker

  • 1986年バグダッド(イラク)生まれ。ニューヨーク(米国)拠点。

バーシム・アル・シャーケルは、2013年のヴェネチア・ビエンナーレでイラク館代表のアーティストのひとりに選ばれて以来、自身のルーツやアイデンティティを伝え、イラクの近代史を振り返る作品を発表してきた。複数の絵で構成される作品《Four Minutes》が描いているのは、米国が2003年にイラクを侵攻した際、アル・シャーケルが目撃した爆発の光景である。爆発の直後に見えた空、大気、頭上を飛び交う瓦礫、完全なる静寂。一連の絵にインスピレーションを与えたのは、このトラウマ的な体験のほんの一部にすぎないが、彼は観客に「これらの絵が描いているのは死ではない。爆弾でもない。爆発のあとの刹那だ。すべての絵が新しい始まりを示唆している。死は存在するが、私は新たな人生を得た。私は、まだ生きている。」と語りかける。その絵から横溢するエネルギーには、逆境から回復する力と、生への感謝の念が見て取れる。幾層にも重ねられた豊かな色彩、激しく交差する筆致がキャンバスに息を吹き込んでいる。

主な発表歴
2024
アート・バーゼル・マイアミ、マイアミ・ビーチ・コンベンション・センター(米国)
2024
エキスポ・シカゴ、ネイビー・ピアーズ・フェスティバル・ホール(米国)
2023
個展「Four Minutes」ローナ・ホフマン・ギャラリー(シカゴ、米国)
2022
ドクメンタ15(カッセル、ドイツ)
2013
第55回ヴェネチア・ビエンナーレ、イラク館(イタリア)
  • 《Sky Revolution》 2023