本文へ移動

国際芸術祭あいち2025、テーマ:灰と薔薇のあいまに、会期:2025年9月13日(土)から11月30日(日)79日間、会場:愛知芸術文化センター/愛知県陶磁美術館/瀬戸市のまちなか国際芸術祭あいち2025、テーマ:灰と薔薇のあいまに、会期:2025年9月13日(土)から11月30日(日)79日間、会場:愛知芸術文化センター/愛知県陶磁美術館/瀬戸市のまちなか

展示・公演等

水谷清

Mizutani Kiyoshi

  • 現代美術
  • 愛知芸術文化センター

展示情報

  • 国際芸術祭「あいち2025」 展示風景
  • 杉本博司 宮本三郎 水谷清 太田三郎
  • ©︎ 国際芸術祭「あいち」組織委員会
  • 撮影:ToLoLo studio
作品解説

1937年3月、鶴舞公園から東山公園へ移転開園した名古屋市東山動物園は、太平洋戦争における空襲が激化した1944年、動物が逃げ出し人に危害を加えることを懸念した軍の要請で、猛獣類の殺処分を行いました。こうした処分や病餓死により、戦前300種1,000点以上いた動物たちは、終戦時には20点あまりにまで激減します。戦後、かろうじて生き延びたゾウのエルドとマカニーらとともに再開した動物園で、猛獣のいない寂しさを補おうと地元の新聞社が発案したのが「猛獣画廊壁画」です。愛知県出身で県文化会館美術館の建設運動を牽引した太田三郎が北極・南極を、岐阜県に生まれインド遊学で力強い画風を確立した水谷清が南方熱帯を、石川県生まれで従軍画家として数々の戦争記録画を描いた宮本三郎がアフリカの場面を、それぞれ手がけました。動物が戻ると壁画は市内の施設に移設され、1997年に名古屋市美術館に収蔵されました。
古代ペルシャのパラデイソスや旧約聖書のノアの方舟が示すように、古くから人間はあらゆる動物を集めたいという欲望を持ってきました。しかし、生活圏の異なる複数の動物種を一望できるこのようなパノラマ世界は、現実には存在しません。また、動物種の確保の歴史は、他国の資源や富を収奪する植民地主義と切り離すことはできません。当時子供たちの目を楽しませた3枚の壁画は、現実と虚構のあいまで今、何を物語っているのでしょうか?

会場

愛知芸術文化センター 10F
愛知県美術館

プロフィール

  • 1902年岐阜県生まれ。1977年東京都にて没。

岐阜県郡上郡(現在の郡上市)に生まれ、早稲田大学商学部在学中から川端絵画研究所洋画科へ入所、その後は小杉放庵に師事した。春陽会を舞台に、フォーヴィスムからの影響が色濃い作品を精力的に発表。1936年のインド遊学を転機として、逞しく生きる市井の人々の姿を力強く描く画風を確立した。戦後は、1957年にサンパウロ・ビエンナーレの日本委員として南米を歴訪、翌58年にはメキシコ国立芸術院(ベジャス・アルテス宮殿)で個展を開催するなど、国際的にも活躍した。

主な活動歴
1926
第4回春陽会展で初入選
1929
渡欧、パリのグラン・ショーミエールに入所
1936
インドに遊学する
1948
疎開先の恵那郡から名古屋市に転居、さらに上京し、春陽会事務所を担当する
1956-67
金沢大学教育学部で教鞭を執る
  • 《東山動物園猛獣画廊壁画 No. 2》 1948
  • 名古屋市美術館蔵