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国際芸術祭あいち2025、テーマ:灰と薔薇のあいまに、会期:2025年9月13日(土)から11月30日(日)79日間、会場:愛知芸術文化センター/愛知県陶磁美術館/瀬戸市のまちなか国際芸術祭あいち2025、テーマ:灰と薔薇のあいまに、会期:2025年9月13日(土)から11月30日(日)79日間、会場:愛知芸術文化センター/愛知県陶磁美術館/瀬戸市のまちなか

展示・公演等

ロバート・アンドリュー

Robert Andrew

  • 現代美術
  • 瀬戸市のまちなか

展示情報

  • 国際芸術祭「あいち2025」 展示風景
  • ロバート・アンドリュー《内に潜むもの》2025
  • ©︎ 国際芸術祭「あいち」組織委員会
  • 撮影:城戸保
作品解説

西オーストラリアの先住民族ヤウルの末裔であるロバート・アンドリューは、作品に現代のテクノロジーを取り入れながら、祖先から伝わる土地や水の歴史を物語り、自らの出自や言葉、記憶について考察します。折り重なる層の下にある本質や内面をじわじわと露わにするその作品は、子供の頃から享受してきた西洋の教育や価値観の根底に、先住民としてのアイデンティティを探究する試みと呼応しています。
「あいち2025」のために、アンドリューは瀬戸の土を使った二作品を発表します。《内に潜むもの》では、ゆっくりと引っ張られた糸が振動しながら粘土、顔料、そして土の層を掘り起こし、壁面に螺旋状の形態を創り出します。《ブルの言葉》では、水の滴りが構造体を徐々に侵食し、アンドリューがヤウル族の長老から贈られた言葉「ブル(Buru)*」を出現させます。ヤウル族が自分たちと精神的なつながりをもつカントリー、季節、そして時間との哲学的で文化的な関係性を表すこの言葉は、豪州を構成する多くの先住民族の言語グループと共鳴し、アンドリューの作品のあらゆる面にも通底しています。
会場の株式会社加仙鉱山は、大正時代に土を求めた陶芸家が購入した山を、粘土工場として受け継いだものです。会期中にゆっくりと粘土が崩れてゆく過程の一瞬を見ることで、私たちはどのような過去を振り返り、どのような未来を想像するでしょうか。また、最後には何が残されるのでしょうか。

* ブル:大地から空、そして時間まで、あなたの周りに見えるすべてのもの(ヤウル語)

会場

株式会社 加仙鉱山

プロフィール

  • 1965年ヌーンガー・カントリー/パース(豪州)生まれ。ミヤンジン/ブリスベン(豪州)拠点。

ロバート・アンドリューは、西オーストラリア州キンバリー地方のルビビ(ブルーム)とその周辺の土地と海域を居住地とするヤウル族の末裔である。アンドリューの作品は、否定されたり忘れ去られたりしてきた個人的な歴史や家族の歴史を掘り下げている。彼の作品は過去を語る一方で、自らの故郷と現在との関係性も明確にしている。彼は、プログラミングで動く機械と、土の顔料、黄土、石、そして土そのものなどを組み合わせ、西洋文化の支配的なパラダイムによって埋没したり疎外されたりしてきた、歴史的、文化的、また個人的な出来事を探求している。

主な発表歴
2024
「As Above, So Below」クイーンズランド工科大学美術館(ブリスベン、豪州)
2022
第23回シドニー・ビエンナーレ「rīvus」シドニー現代美術館(豪州)
2022
第4回ナショナル・インディジニアス・アート・トリエンナーレ「Ceremony」オーストラリア国立美術館(キャンベラ)
2022
個展「Within an utterance」ミュージアム・オブ・オールド・アンド・ニュー・アート(MONA)(ホバート、豪州)
2020
ヨコハマトリエンナーレ2020「Afterglow」横浜美術館(神奈川)
  • 《Presence》 2019
  • Installation view: ‘Presence’ IMA Belltower. Courtesy of the artist and Milani Gallery, Brisbane.