展示・公演等
ウェンディー・ヒュバート
Wendy Hubert
- 現代美術
- 愛知芸術文化センター
展示情報
- 国際芸術祭「あいち2025」 展示風景
- ウェンディー・ヒュバート
- ©︎ 国際芸術祭「あいち」組織委員会
- 撮影:ToLoLo studio
作品解説
オーストラリアのインジバルンディの長老であり、無形文化財の守護者、そして言語学者でもあるウェンディー・ヒュバートは、愛する故郷を描き続けています。生涯を通して彼女は、情熱をもってインジバルンディ族のコミュニティを支えてきました。2019 年にジュルワル・アート・グループで絵画制作を始め、幼少期に見ていた風景やインジバルンディやグルマ・カントリー州の重要な場所を描いた風景画で広く知られるようになります。
ヒュバートは故郷の大地とそこに生息する動植物についての深い知識をもち、それらを絵画に取り入れています。また、ともに歩んできたインジバルンディの文化と土地が、今もなお大切に守られていることを讃え、土地の英雄たちについて語り継がれている逸話や物語を絵画に記し、伝えていくことによって、若者たちにインスピレーションを与えてきました。記憶や物語に加え、近年の採鉱によってこの土地に起こっている変化についても描いています。
「あいち2025」は今回のテーマから、土地と深いつながりをもち、祖先から継承してきた土地の保護を訴えかけるアーティストの活動に着目しました。ヒュバートもまた、そうしたアーティストの一人です。出品される2024年制作の作品では、インジバルンディの雄大な風景とともに、営まれてきた日々の生活や、そこに流れていた大切な時間が温もりのある豊かな色彩で描かれています。
会場
愛知芸術文化センター 10F
愛知県美術館
プロフィール
- 1954年インジバルンディ・カントリー/ピルバラ(豪州)生まれ。インジバルンディ・カントリー/ピルバラ(豪州)拠点。
ウェンディー・ヒュバートはインジバルンディの長老であり、無形文化財保持者、アーティスト、言語学者でもある。ピルバラ(西オーストラリア州)のレッドヒル・ステーションで生まれ、その後ミンダルー・ステーション、オンスローを経てロウバーンに定住。その地での地域保健活動を通じて夫と出会い、3人の息子を授かる。2019年にジュルワル・アート・グループで絵画制作を始め、幼少期に見ていた風景やインジバルンディとグルマ・カントリーの重要な場所を描いた風景画で知られるアーティストとなる。「私は自分の故郷(カントリー)とその掟を知っています。インジバルンディの守り手として、老いてもその考え方と生き方を貫いています。」(ウェンディー・ヒュバート2021年)
- 主な発表歴
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- 2024
- 個展「ウェンディー・ヒュバート:NGURRA GOONMARDII」サロン・アート・プロジェクツ(ダーウィン、豪州)
- 2024
- 「The Good Shed, Perth Represent: Aboriginal Figurative Practice in WA, Part 2」フォーム・ギャラリー(パース、豪州)
- 2024
- 第24回シドニー・ビエンナーレ「Ten Thousand Suns」(豪州)
- 2023
- 「Telstra NATSIAA」ノーザンテリトリー博物館・美術館(ダーウィン、豪州)
- 2022
- 「Tracks We Share」西オーストラリア州立美術館(パース、豪州)
- 《インジバルンディの風景》 2024