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愛知と世界を知るためのリサーチ『ドライブ・レコーダー』AHA![Archive for Human Activities/人類の営みのためのアーカイブ]

  • 2021年12月10日

「愛知と世界を知るためのリサーチ」では、アーティスト等がリーダーとなって、様々な視点で愛知を発見していくプロジェクトを実施します。

ドライブ・レコーダー』は、市井の人々の私的な記録と記憶に着目したアーカイブづくりに取り組んできた活動団体のAHA![Archive for Human Activities/人類の営みのためのアーカイブ]がリサーチリーダーとなり、近年注目されている運転免許証の《自主返納》という制度に着目します。免許証返納の岐路に立つ当事者の個人的な経験を振り返ることで、現代社会に生きる私たちと自動車との関わりを見つめ直す試みです。免許証返納を考えている方などにインタビューを行い、その内容をプロジェクトの成果として国際芸術祭「あいち2022」会期中に展示します。


プロジェクトに寄せて リサーチリーダー・AHAアハ![Archive for Human Activities/人類の営みのためのアーカイブ]
自動車という乗り物は、いったい何を運んできたのか―。
『ドライブ・レコーダー』は、そんな問いを探求するリサーチ・プロジェクトです。シートベルトを締める。バックミラーを目視する。アクセルを踏む。地図を調べる。音楽を聴く。目的地に到着する。そして誰かに会う...。自動車を運転するといったこれらの一連の行いには、《移動の手段》以上の意味があると、私たちAHA!は考えています。
その意味を深く理解するために、このプロジェクトでは運転免許の《自主返納》に着目します。返納の岐路に立たされている当事者にとって、みずから資格を失うという出来事はどのような"喪失"の経験となるのか。『ドライブ・レコーダー』では、返納を検討されている方々にみずからのこれまでの歩みを、「車」というキーワードを軸に振り返っていただきます。
小さい頃の車の思い出は何か。免許を取得したのはいつか。これまでどんな車を運転したのか。車内でひとり考えることは何か。印象に残っているドライブの行き先はどこか。一度乗ってみたい車は何か。返納に躊躇する理由は何か。車の中で泣いたことはあるか。ありえたかもしれないもうひとつの人生があるとすれば、それはどんなものか。
免許返納について迷い、悩まれているあなたへ。この機会をつうじて、これまでのあなたの歩みやいろんな思い出を、言葉に残してみませんか。ご家族、関係者の皆さんへ。免許を失うという経験がご本人にとってどのような意味をもつのか、ともに考えてみませんか。プロジェクトに関心を持たれた方々へ。語りが生まれる場所を、一緒に支えていただけませんか。
皆さんのご参加をお待ちしています。

メンバー募集について
本プロジェクトでは次の2つの区分で参加者を募集します。

(1)自動車運転免許証の自主返納を迷われている方など
免許証の自主返納を検討されている方やすでに返納した方、およびそのご家族を募集し、インタビューさせていただきます。お話しいただいた内容は編集の上で、国際芸術祭「あいち2022」会期中に発表します。

【参加対象】
自動車運転免許証について、いずれかに該当する方
・返納するかどうか迷っている方
・返納を検討し、返納した方
・返納を検討し、返納しなかった方
・免許証の更新時期がまもなくやってくる方
・返納を検討されている方のご家族

【インタビューの実施方法】
1回につき90~120分程度のインタビューを1~2回行います。(ご家族や関係者の同伴可)
※実施場所や実施日については個別に相談の上決定します。

【個別インタビューで伺いたいこと】
ご自身のこれまでと車との関わりを振り返っていただきます。
・免許証の取得時期
・運転歴
・印象に残っている車に関するエピソード
・返納を検討している理由 など

【定員】
3~5名程度

【個人情報の取扱いについて】
個別インタビューでお話しいただいた情報は厳重に取り扱います。
発表する際は、参加者に事前に内容をご確認いただき、個人が特定できない配慮や工夫を施します。

【参加条件など】
・参加を希望される方は説明会にご参加ください。
・本プロジェクトの参加の際に発生する交通費等の諸経費は各自でご負担ください。
・インタビューをさせていただいたすべての方について発表するとは限りません。
・インタビューの様子を写真や動画などで記録します。記録した写真や動画はご本人の同意のもと、国際芸術祭「あいち2022」の広報物や報告書等で使用する場合があります。
・参加にあたっては、参加者を被保険者とした団体傷害保険に、国際芸術祭「あいち」組織委員会において加入します。


(2)サポートメンバー
プロジェクトを内側から支えるメンバーを募集します。個別インタビューの文字起こしや編集、展示に至るまで、継続的に関わっていただける方を募集します。

【参加対象】
・文字起こし作業や編集作業の経験がある方

【定員】
若干名

【参加条件など】
・参加を希望される方は説明会にご参加ください。
・本プロジェクト参加の際に発生する交通費等の諸経費は各自でご負担ください。
・活動の様子を写真や動画などで記録します。記録した写真や動画はご本人の同意のもと、国際芸術祭「あいち2022」の広報物や報告書等で使用する場合があります。
・参加にあたっては、参加者を被保険者とした団体傷害保険に、国際芸術祭「あいち」組織委員会において加入します。

プロジェクト説明会の開催について
あなたにとって「車」を運転することとは? また、その行為をみずから失うということは?
プロジェクトの趣旨、インタビューしたい内容、今後のスケジュールの詳細や本プロジェクトの参加方法についてなどをお伝えする説明会を開催します。プロジェクトの参加希望者は説明会にご出席ください。ご説明した内容に同意いただいた後に、正式に参加のお申し込みをしていただきます。免許証の返納を検討されている方やすでに返納した方、そのご家族のみなさま、プロジェクトを内側から支えるメンバーのご参加をお待ちしています。

日時|2022年1月29日(土)
   10時から11時まで(午前の部)
   14時から15時まで(午後の部)
   ※どちらも同じ内容です、いずれかの回にご参加ください
会場|アートラボあいち 〒460-0002 名古屋市中区丸の内三丁目4-13 愛知県庁大津橋分室2~3階
申込|不要
参加費|無料

AHA![Archive for Human Activities/人類の営みのためのアーカイブ]プロフィール
AHA![Archive for Human Activities/人類の営みのためのアーカイブ]は、市井の人々の記録と記憶に着目したアーカイブづくりの取り組み。主な活動として、日本最長寿記録を樹立したアジアゾウ、はな子との記念写真を一般から公募して制作した記録集『はな子のいる風景 イメージを(ひっ)くりかえす』武蔵野市立吉祥寺美術館(2017年)、家の押し入れに眠っていた8ミリフィルムとそれにまつわる記憶を編集して公開したウェブサイト『世田谷クロニクル1936-83』生活工房(2019年)、ひとりの女性が記し続けた10年間の育児日記をたよりに、東日本大震災後の10年間を振り返る展覧会「わたしは思い出す 10年間の子育てからさぐる震災のかたち」せんだい3.11メモリアル交流館(2021年)などがある。remo[NPO法人記録と表現とメディアのための組織]を母体に、2005年に大阪にて始動。
AHA! 公式ウェブサイト:https://aha.ne.jp/

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8ミリフィルムの提供者宅で実施する『出張上映会』のひとコマ

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記録集『はな子のいる風景』表紙

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企画展「わたしは思い出す」の会場風景(一部) Photo:佐々瞬

プロジェクトに関するお問い合わせ先
https://aichitriennale.jp/2022/contact/index.html

『ドライブ・レコーダー』プロジェクト報告会

開催日|10月1日(土)、10月9日(日)※両日同内容
開催時間|15:00~16:30
会場|愛知芸術文化センター8階 ラーニングルーム・オープンスペース
定員|20名
参加費|無料
申込|予約不要(当日先着順)


人は、自動車に何を乗せているのか―。
自動車産業の盛んな愛知県でのリサーチを始めるにあたり、本プロジェクトはそんな問いを立てました。そしてこの問いの答えを探求すべく、近年関心が高まる運転免許証の自主返納制度に注目し、返納の岐路に立つ当事者やその家族を募集し、インタビューを続けてきました(2022年2月26日開始)。
これまでに出会ったのべ32名(2022名7月8日時点)の「運転史」について、何を、どのように聞いてきたのか。どんな言葉が印象的だったのか。この報告会では、公募で集まった4名のサポートメンバーとともに、約6ヶ月のプロジェクトのあゆみを振り返ります。

1_足摺岬.jpg写真提供=Tさん


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