今、を生き抜くアートのちから

LEARNINGラーニング

アーティストによる美術史講座

国際的に活躍するアーティストの視点から「美術史」を読み解いていくシリーズ。個々の作品についての理解を深めると同時に、作品と作品のつながりを見出し、様々な切り口で美術の歴史をストーリーとして読み解く力を養うことを目的としました。

第1回 眞島竜男 編

  • 2021年10月2日(土)
ゲスト
眞島竜男 Majima Tatsuo

1970年東京都生まれ。滋賀県拠点。
写真、ビデオ、テキスト、パフォーマンス、レクチャー、粘土など様々なメディアを使った作品を制作。日本の近・現代アートがナショナル(国民的、国家的)なものとどのように関わってきたのかを問い続ける。
近年の主な発表に、「山と群衆(大観とレニ)/四つの検討(TPAM 2019 Version)」blanClass(2019年、横浜)、「開く、折りたたむ、反転する、閉じる:河原温ダイアグラム」「ラレー街11番地のFoujita/藤田」豊田市美術館(2016年、愛知)、「岡山芸術交流2016」岡山県天神山文化プラザ(2016年)、「PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015」京都市美術館(2015年)がある。

「あいち2022」出展作家の一人である河原温を起点に作品を具体的に取り上げながら、「コンセプチュアルアート」について、その意図するところをみていきました。研究者ではないアーティストという立場と視点で掘り下げ、コンセプチュアルアートとは何かという思考のイメージを共有しました。

第1回「アーティストによる美術史講座1 眞島竜男 編」

第2回 岡田裕子 編

  • 2021年12月12日(日)
ゲスト
岡田裕子 Okada Hiroko

現代美術家。
自らの実体験―恋愛、結婚、出産、子育てなど―を通したリアリティのある視点で、現代の社会へのメッセージ性の高い美術作品を制作。国内外の美術館、ギャラリー、オルタナティブスペース等にて展覧会多数。表現手法はビデオやインスタレーション、パフォーマンスなど多岐にわたる。個人活動の他にアートプロジェクトも多く手がける。「オルタナティブ人形劇団「劇団☆死期」」を主宰。家族のアートユニット「会田家」、コロナ社会の中でのArt×Fashion×Medicalの試み「W HIROKO PROJECT」など。
著書は作品集『DOUBLE FUTURE─ エンゲージド・ボディ/俺の産んだ子』求龍堂(2019年)や、人形劇を書籍化した(共著)に『ゲンダイチコースケの事件簿』ART DIVER(2015年)など。

自身の幼少期からアーティストとして活動する現在に至るまでの個人史を、その時々で影響を受けた「美術」から振り返ることで、どのように「岡田裕子」というアーティストが生まれたのか、個人史と美術史をクロスオーバーしながら辿っていくユニークな回となりました。

第2回「アーティストによる美術史講座2 岡田裕子 編」

番外編(第3回) 相馬千秋 編

  • 2022年1月30日(日)
ゲスト
相馬千秋 Soma Chiaki

国際芸術祭「あいち2022」キュレータ―(パフォーミングアーツ)
アートプロデューサー/NPO法人芸術公社代表理事
フェスティバル/トーキョー初代プログラム・ディレクター(2009-13年)、「急な坂スタジオ」初代ディレクター(2006-10年)等を経て、2014年にNPO法人芸術公社を設立。国内外で舞台芸術、現代美術、社会関与型芸術を横断するプロデュースやキュレーションを多数行う。2015年フランス共和国芸術文化勲章シュヴァリエ受章。立教大学特任准教授(2016-21)。あいちトリエンナーレ2019キュレーター。2017年より「シアターコモンズ」実行委員長兼ディレクター。令和2年度(第71回)芸術選奨(芸術振興部門・新人賞)受賞。2021年より東京藝術大学美術研究科准教授、豊岡演劇祭総合ディレクター。

アーティスト以外の専門家による番外編。同じ作品をみることができないパフォーミング・アーツとパフォーマンス・アートについて、過去作や歴史に触れることにどのような意義があるのかを大きな問いかけとしました。日本と西洋の伝統芸能の起源とパフォーマンス・アート史のそれぞれから、現代の演劇や「あいち2022」につながる点を紐解きました。

※レクチャーの記録動画はご本人の希望により非公開となっています

第4回 森村泰昌 編

  • 2022年4月17日(日)
ゲスト
森村泰昌 Morimura Yasumasa

美術家。
1951年、大阪市生まれ。1985年、ゴッホに扮したセルフポートレート写真でデビューして以降、国内外で作品を発表。2014年、ヨコハマトリエンナーレのアーティスティックディレクターを務める。近年の個展に、「森村泰昌:自画像の美術史―『私』と『わたし』が出会うとき」国立国際美術館(2016年,大阪)、「森村泰昌:エゴオブスクラ東京2020―さまよえるニッポンの私」原美術館(2020年,東京)、「M 式『海の幸』―森村泰昌 ワタシガタリの神話」アーティゾン美術館(2021年,東京)。2022年2月に「人間浄瑠璃 新・鏡影奇譚」を大阪中之島美術館ホールにて上演。
2022年3月現在、京都市京セラ美術館で「森村泰昌:ワタシの迷宮劇場」を開催中。2018年、大阪・北加賀屋に「モリムラ@ミュージアム」を開館。著書に、『自画像のゆくえ』(光文社新書)ほか多数。

自身が30年以上継続して制作しているセルフポートレート作品を、芸術の世界に入る手立てとして捉えた「試論」を紹介。「作る・見る・知る」という3つの手立てを捉え直し、様々な作家の作品に「なる」ことが、どのように芸術の世界への扉を開くのか、また「なる」ことと美術史がどのように関わっていくのかをみていきました。

第4回「アーティストによる美術史講座4 森村泰昌 編」