本文へ移動

国際芸術祭あいち2025、テーマ:灰と薔薇のあいまに、会期:2025年9月13日(土)から11月30日(日)79日間、会場:愛知芸術文化センター/愛知県陶磁美術館/瀬戸市のまちなか国際芸術祭あいち2025、テーマ:灰と薔薇のあいまに、会期:2025年9月13日(土)から11月30日(日)79日間、会場:愛知芸術文化センター/愛知県陶磁美術館/瀬戸市のまちなか

展示・公演等

バゼル・アッバス & ルアン・アブ⹀ラーメ

Basel Abbas and Ruanne Abou-Rahme

  • 現代美術
  • 愛知芸術文化センター

展示情報

  • 国際芸術祭「あいち2025」 展示風景
  • バゼル・アッバス&ルアン・アブ⹀ラーメ《忘却が唇を奪わぬよう:私たちを震わせる響きだけが》2020–22
  • ©︎ 国際芸術祭「あいち」組織委員会
  • 撮影:ToLoLo studio
作品解説
忘却が唇を奪わぬよう:私たちを震わせる響きだけが

《忘却が唇を奪わぬよう:私たちを震わせる響きだけが》は、パフォーマンスを通じて、コミュニティがいかにして喪失、暴力、故郷からの移動といった体験を証言し、語り継ぐかを考察する進行中のプロジェクトの一部です。パレスチナ、イラク、シリア、イエメンのコミュニティの人々が日常的に歌い、踊るアーカイブ映像やオンライン上の動画を素材とした記憶の集積は、パレスチナの電子音楽家であるマキマクク、ハイカル、ジュルムッド、そしてダンサーのリマ・バランシとの協働によって生み出された新たなパフォーマンスと融合されます。動きと音に応答しながら、彼らは時を越えたつながりを構築し、分断された共同体が過去と現在の両方で空間の権利を取り戻すことによって、自分たちの存在が消されないように抵抗する方法を再確認しているのです。
強靭さを示す方法として、歌と踊りを用いて集団で抵抗を示すこのビデオ・コラージュのインスタレーションでは、テキストの断片と新旧のパフォーマンスの映像が並置され、それらが間仕切りのようなコンクリートやスチールのパネルに投影されることで、イスラエルとパレスチナを隔てるアパルトヘイト・ウォール、そして物理的な断片化と破壊を想起させます。
この作品は、動物や人々そして大地がもつ記憶を探り、共同体の抹殺という不可能な状況において生命をいかに維持し得るのか、そして単なる生存以上の生き方の可能性をいかに想像し得るのかを問いかけています。

会場

愛知芸術文化センター 8F
愛知県美術館ギャラリー

プロフィール

  • バゼル・アッバス、1983年ニコシア(キプロス)生まれ。ニューヨーク(米国)、ラマッラ(パレスチナ)拠点。
  • ルアン・アブ⹀ラーメ、1983年ボストン(米国)生まれ。ニューヨーク(米国)、ラマッラ(パレスチナ)拠点。

バゼル・アッバスとルアン・アブ⹀ラーメは、サウンド、映像、文章、インスタレーション、パフォーマンスなど、さまざまな分野で共に活動するアーティスト。二人の取り組みは、パフォーマティビティ、政治的イマジナリー、肉体、仮想世界の横断にある。二人のアプローチの特徴は、サウンド、映像、テキスト、オブジェなど、既存の素材や自作の素材をサンプリングし、それらを全く新しい「台本」に再構築することである。その成果として、マルチメディア・インスタレーションやサウンドと映像のライブ・パフォーマンスという形で、サウンド、映像、テキスト、サイトが持つ政治的、情緒的、物質的な可能性を追求する表現を展開している。

主な発表歴
2024
個展「The song is the call, and the land is calling」コペンハーゲン・コンテンポラリー/ニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館(デンマーク)
2024
個展「Only sounds that tremble through us」MIT リスト・ヴィジュアル・アーツ・センター(マサチューセッツ、米国)
2023
個展「An echo buried deep deep down but calling still」アストルップ・ファーンリ現代美術館(オスロ、ノルウェー)
2022
個展「May Amnesia Never Kiss Us on the Mouth」ニューヨーク近代美術館(米国)/ミグロ現代美術館(チューリッヒ、スイス)
  • 《May amnesia never kiss us on the mouth: only sounds that tremble through us》 2020–22
  • Photo: Christian Øen
  • © Astrup Fearnley Museet, 2023.