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国際芸術祭あいち2025、テーマ:灰と薔薇のあいまに、会期:2025年9月13日(土)から11月30日(日)79日間、会場:愛知芸術文化センター/愛知県陶磁美術館/瀬戸市のまちなか国際芸術祭あいち2025、テーマ:灰と薔薇のあいまに、会期:2025年9月13日(土)から11月30日(日)79日間、会場:愛知芸術文化センター/愛知県陶磁美術館/瀬戸市のまちなか

展示・公演等

チャヌーパ・ハンスカ・ルガー

Cannupa Hanska Luger

  • 現代美術
  • 愛知県陶磁美術館

展示情報

  • 国際芸術祭「あいち2025」展示風景
  • チャヌーパ・ハンスカ・ルガー《いまを生きる(家路)》2022-2025
  • ©︎ 国際芸術祭「あいち」組織委員会
  • 撮影:怡土鉄夫
作品解説
いまを生きる(家路)

米国ノースダコタ州のスタンディング・ロック保留地で生まれたチャヌーパ・ハンスカ・ルガーは、フォート・バースフォールド保留地の三大連携部族(マンダン族、ヒダーツァ族、アリカラ族)およびラコタ族の一員として、21世紀を生きる先住民が直面する切迫した状況を表現してきました。陶磁器や鉄、テキスタイル、映像、再利用素材など、さまざまな材料を組み合わせて作られた作品には、こうした状況に対するルガーの鋭い批評と、素材・土地・共同体への深い敬意が込められています。  本作は、2022年の個展「A WAY HOME」に新作を交えて再構成したものです。ミズーリ川流域の地形にまつわる映像と詩は、大地の雄大さを讃え、土に対する敬意を感じさせます。陶による〈グランドマザー・シリーズ〉は、主にマンダン族の祖先たちが「たたき技法」で作ってきたうつわを彼自身の手で再現したものです。伝統的な技法と新たな技法を組み合わせたり、異なる土を融合させたりすることで 、ルガーは植民地化によって奪われた過去の知恵を取り戻し、讃え、現在の実践を記録し、未来の世代が土地とともに生きる文化の連続性のなかに自分の姿を見出だせるよう導いています。また、陶やロープを使って人型にかたち作られた《川岸》は、帰るべき家を見つけたかのように穏やかに横たわっています。これらの作品は、ルガーがもつ先住民の世界観を強調しつつも、私たちの目を「人間」そのものに向けさせる普遍的な力をもち、共感を呼び起こします。

会場

愛知県陶磁美術館
本館

プロフィール

  • 1979年スタンディング・ロック保留地/フォート・イェーツ(米国)生まれ。グロリエタ(米国)拠点。

チャヌーパ・ハンスカ・ルガーは、ニューメキシコ州を拠点に活動する作家で、モニュメンタルなインスタレーションや彫刻、パフォーマンスを通して、21世紀の先住民が直面する切迫した状況を表現している。陶磁、鉄、繊維、映像、再利用素材などを組み合わせたルガーの作品は、思弁的なフィクションを展開し、土地に根ざした修復を行い、社会との関わりを通じて共感を呼ぶ実践である。ノースダコタ州のスタンディング・ロック保留地で生まれた彼は、フォート・バースホールド保留地の三大連携部族であるマンダン族、ヒダーツァ族、アリカラ族、そしてラコタ族のメンバーでもある。ルガーは、文化批評の分析的な視点と、多様な素材・環境・自らの共同体に対する献身と敬意とを兼ね備えており、その大胆な視覚表象は、先住民の世界観を強調しつつも、集合体としての「人間」という側面に対して新しい視点を提示する。

主な発表歴
2024
ホイットニー・ビエンナーレ2024「Even Better than the Real Thing」ホイットニー美術館(ニューヨーク、米国)
2023
「The Land That Carries Our Ancestors」ワシントン・ナショナル・ギャラリー(米国)
2022
「Water Memories」メトロポリタン美術館(ニューヨーク、米国)
2019
個展「Every One」ガーディナー博物館(トロント、カナダ)
2016
個展「Every Line is a Song. Each Shape is a Story」国立市民人権センター(アトランタ、米国)
  • 《A WAY HOME》 2020