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国際芸術祭あいち2025、テーマ:灰と薔薇のあいまに、会期:2025年9月13日(土)から11月30日(日)79日間、会場:愛知芸術文化センター/愛知県陶磁美術館/瀬戸市のまちなか国際芸術祭あいち2025、テーマ:灰と薔薇のあいまに、会期:2025年9月13日(土)から11月30日(日)79日間、会場:愛知芸術文化センター/愛知県陶磁美術館/瀬戸市のまちなか

展示・公演等

クリストドゥロス・パナヨトゥ

Christodoulos Panayiotou

  • 現代美術
  • 愛知芸術文化センター

展示情報

  • 国際芸術祭「あいち2025」 展示風景
  • クリストドゥロス・パナヨトゥ《落選の花園》2025
  • ©︎ 国際芸術祭「あいち」組織委員会
  • 撮影:ToLoLo studio
作品解説

クリストドゥロス・パナヨトゥは、彫刻、絵画、映像、写真、建築的要素やパフォーマンスなどを含む多岐にわたるリサーチを通じて、歴史や時間の物質的・視覚的記録の中に潜む物語を明らかにしてきました。
およそ300種のバラが植えられた美術館のライトコートは、バラ園へと様変わりしています。これらは新しい品種を開発する過程で、色や形、香り、耐寒性などを理由に商品化されなかったバラたちです。同じ品種は一輪たりとも存在せず、今も絶えず新たな品種が開発され続けています。パナヨトゥは、このように市場の流通からはじかれてしまったユニークなバラを集めることで、種を育て選別するプロセスを浮き彫りにし、選ばれなかったものたちが集う庭として可視化します。作品のタイトルは、フランスの官展であるサロンに落選した印象派の画家たちが独自に行った展覧会「落選展」を想起させます。
カウンターに置かれた彫刻群のようなジュエリーには、全て仮晶とよばれる特殊な鉱物が使われています。仮晶とは、その外形だけを残して中身が長い時間をかけて別の鉱物に置き換わった珍しいものです。パナヨトゥは、鉱物の語源であるギリシャ語の「pseudomorphē(仮象)」を作品タイトルに冠してこれらを指輪やネックレスに仕立て、さらにそれをパフォーマーが箱から取り出して見せるという演劇的な要素を加えることで、自身の古い記憶に結びつけています。幼少期に見た戸別訪問の宝石商の身振りは、パナヨトゥが一貫して関心を抱いてきた演劇の原体験となるものでした。

会場

愛知芸術文化センター 8F
愛知県美術館ギャラリー

プロフィール

  • 1978年リマソール(キプロス)生まれ。リマソール(キプロス)拠点。

クリストドゥロス・パナヨトゥは、彫刻、絵画、インスタレーション、パフォーマンス、写真、映像など、幅広い媒体を駆使し、歴史と時間の視覚的および物質的記録のなかに潜むナラティブを明らかにする。ダンスを始めとする舞台芸術の実践や歴史と演劇人類学の研究を踏まえ、パナヨトゥはしばしば、身のまわりにある物など既存の素材の再文脈化や、パフォーマンスを用いた介入を含む表現を行う。

主な発表歴
2023–24
個展「One Year」リュマ・アルル(フランス)
2019–20
個展「Act II: The Island」カムデン・アート・センター(ロンドン、英国)
2015
第56回ヴェネチア・ビエンナーレ、キプロス館(イタリア)
2013
個展「Days and Ages」ストックホルム近代美術館(スウェーデン)
2013
個展「In The Light Of The Day The Fireflies Are Like Any Other Insect」CCA北九州
  • 「MARCH, APRIL, NOVEMBER」Sylvia Kouvali での展示風景、2021
  • Photo: Lewis Ronald