展示・公演等
イキバウィクルル
ikkibawiKrrr
- 現代美術
- 愛知芸術文化センター
展示情報
- 国際芸術祭「あいち2025」 展示風景
- イキバウィクルル
- ©︎ 国際芸術祭「あいち」組織委員会
- 撮影:ToLoLo studio
作品解説
扉開けてくんろ
イキバウィクルルは、苔(韓国語でイキ)のように陸と空の狭い境界に生息し、生物や物、環境と交わりながらそれらのつながりをリサーチし、作品を通して生活と芸術の接点を拡張しています。「あいち2025」におけるプロジェクトでは人口減少や都市化によって変容する「村」としてのコミュニティに焦点を当てました。
豊田市で「橋の下世界音楽祭」やライブ、ワークショップ、農作業などを行う橋ノ下舎のコミュニティとともに《扉開けてくんろ》というビデオ作品を制作しました。映像のなかでパンクデュオALKDO作の曲『扉』にのせてコミュニティの人々が踊る様子は村祭りを思わせます。この踊りは日本の盆踊りと韓国の民俗舞踊「カンカンソワレ」や「ゴサリ」に由来し、ダンス経験や年齢、障がいの有無などにかかわらず、誰もが楽しめるコミュニティダンスとも言えるものです。
イキバウィクルルはまた、長年営まれてきた古い喫茶店にも「村」を見出だし、訪問者として日々の様子を記録しました。店内に足を踏み入れると、ピラミッドや亀の置物、振り子時計など、マスターの大切なものが独特の不思議な世界へと招き入れます。マスターとの会話や居心地のよい穏やかな時間を求めて、人々が集うことで喫茶店は「村」となり、扉は村への入口となるのです。
インスタレーションは、二つの映像作品と各々のコミュニティの大切なモチーフで構成されています。そこには、社会的包摂というビジョンのもとに構築される関係性というより、環境や場、人と人とがごく自然に結びつく社会的結合によって生まれる共生、「村」のコミュニティが見えてくるでしょう。
会場
愛知芸術文化センター 8F
愛知県美術館ギャラリー
プロフィール
- 2021年ソウル(韓国)で結成。ソウル(韓国)拠点。
- チョ・ジウン、1975年ソウル(韓国)生まれ。
- キム・ジュンウォン、1996年ソウル(韓国)生まれ。
- コ・ギョル、1994年チェジュ島(韓国)生まれ。
2021年結成のイキバウィクルルは、自然現象、人間、生態系間の繋がりを探求するビジュアルリサーチバンド。「イキバウィ」とは、「苔が生えた岩」を意味し、「クルル」は擬音語である。苔は、空気と地面の境界線に生息し、小さな身体にもかかわらず周囲に適応し、他世界との境界線に沿って自らの世界を拡張する。イキバウィクルルは、苔の生存方法から生まれた動きが境界の重なりを厚くするということを、アプローチの手掛かりとしている。苔の生き様をコレクティブの手法に取り入れ、個々の活動以上のものとして自らの実践を広め、生活と美術の境界層を広げることを目指している。
- 主な発表歴
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- 2023
- 第12回ソウル・メディアシティ・ビエンナーレ「THIS TOO, IS A MAP」ソウル市立美術館(韓国)
- 2023
- 第14回光州ビエンナーレ「soft and weak like water」(韓国)
- 2023
- 第40回エヴァ・インターナショナル(リムリック、アイルランド)
- 2023
- 「DMZ Exhibition: CHECKPOINT」キャンプ・グリーブス(坡州、韓国)
- 2022
- ドクメンタ15(カッセル、ドイツ)
- 《Seaweed Story》 2022