展示・公演等
ミネルバ・クエバス
Minerva Cuevas
- 現代美術
- 瀬戸市のまちなか
展示情報
- 国際芸術祭「あいち2025」 展示風景
- ミネルバ・クエバス《子供たち》2025
- ©︎ 国際芸術祭「あいち」組織委員会
- 撮影:城戸保
作品解説
子供たち
ミネルバ・クエバスは、リサーチに基づくプロジェクトを手がけるアーティストであり、その実践は常に社会的な視点を重視し、ときに環境問題にも焦点を当てています。
「あいち2025」において、クエバスは瀬戸市の文化芸術の発信拠点・瀬戸市美術館の入口に、高さ11メートル、幅4メートルにも及ぶ大規模な壁画を制作しました。この壁画には、1921年から1936年にかけてメキシコに滞在した瀬戸ゆかりの画家・北川民次(1894-1989)の作品から着想を得たモチーフが多く取り入れられています。北川はメキシコ壁画運動や野外美術学校のあり方に強い影響を受け、帰国後の日本でも美術教育に熱心に取り組みました。クエバスの新作壁画に登場する動物やゲームのキャラクター、企業ロゴなどの象徴的な要素は、瀬戸において北川の存在がもっている文化的意義や、美術教育者として彼が子供たちに向けたまなざし、さらには大航海時代以前のメキシコ文化と現代日本の文化などを想起させるものです。
クエバスの壁画は、さながら過去と現在が交差する「現代の遺跡」として立ち現れ、日本とメキシコの美術の歴史を讃えると同時に、観る者に対し芸術とコミュニティ、そして社会的責任との関係についての思考を促しています。
会場
瀬戸市美術館
プロフィール
- 1975年メキシコシティ(メキシコ)生まれ。メキシコシティ(メキシコ)拠点。
ミネルバ・クエバスは、サイトスペシフィックなアクションや作品を通して、社会圏の実像を描写するリサーチ型のプロジェクトを展開するアーティスト。資本主義体制とその社会的帰結に内在する価値、取引、資産の概念を研究し、日常生活に潜む反逆の可能性を探る。インスタレーション、動画、壁画、彫刻、公共空間への介入など幅広いメディアを介して、ブランドロゴに見る身近な視覚表現をもじって、人々の政治的虚像に根付く概念に疑問を投じ、ソーシャル・コミュニケーションの活性化を狙っている。主な研究分野はエコロジー運動、人類学、企業史。1998年にMejor Vida Corpを、2016年にInternational Understanding Foundationを設立。
- 主な発表歴
-
- 2023
- 「Re/Sisters: A Lens on Gender and Ecology」バービカン・センター(ロンドン、英国)
- 2023
- 個展「Game Over」フメックス美術館(メキシコシティ、メキシコ)
- 2021
- 第11回ソウル・メディアシティ・ビエンナーレ「One Escape at a Time」ソウル市立美術館(韓国)
- 2019
- 「SOFT POWER」サンフランシスコ近代美術館(米国)
- 2005
- 第7回シャルジャ・ビエンナーレ「Belonging」(アラブ首長国連邦)
- 《The Trust》 2023
- Courtesy of Kurimanzutto Mexico, New York.