展示・公演等
panpanya
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- 現代美術
- 瀬戸市のまちなか
展示情報
- 国際芸術祭「あいち2025」 展示風景
- panpanya《何物》2025
- © 国際芸術祭「あいち」組織委員会
- 撮影:城戸保
作品解説
何物
白泉社の漫画誌『楽園 Le Paradis』2013年春のweb増刊で商業デビューを果たしたpanpanya。喜怒哀楽を表現しうる最小限の線にまで切り詰められたシンプルなキャラクターたちが、日常に潜むちょっとした違和感や不思議なことに気を取られたり目を奪われたりしているうちに、気がつけば現実世界と少しズレた場所へと迷い込んでいく、そんな短編の数々を描いてきました。夢のなかのようにディテールと曖昧さが共存するその世界は、名もなき主人公の意識や関心に応じて姿を変えていきます。
要らなくなった窯道具を積み上げた「窯垣」と呼ばれる塀、路地裏に唐突に現れる製陶所、どこかの工場でつくられた碍子、割れないようにシワ加工した紙を挟んで積まれた皿、絵付けに使われていた転写紙、やきものの型をつくるための石膏を入れる紙袋…。panpanyaは、瀬戸市のまちなかのあちこちにあるこうした景色やものを題材として、時に集めた素材を文字通り貼り合わせながら、この世に1冊だけの手製本をつくり上げます。
この蛇腹折りの手製本の漫画が読める松千代館は、かつては陶磁器の運送業者でにぎわった旅館でした。また、漫画のなかの光景と現実の風景が重なり合っているかのように、瀬戸市のまちなかのさまざまな場所に漫画の一部が点在しています。ぜひまち歩きを楽しみながら探してみてください。なお、この漫画の複製版冊子は「あいち2025」のラーニングセンター等で読むことができます。
会場
瀬戸市のまちなか、松千代館
プロフィール
- 生年・拠点都市非公表。神奈川県生まれ。
漫画家。2000年代よりウェブ上や同人誌即売会等で活動し、2013年、白泉社『楽園』にて商業デビュー。以降は同誌を中心に、主として短編作品を継続的に発表している。概ね年に一冊のペースで単行本が刊行されており、その装丁も全てpanpanya自身が手掛ける。2018年文化庁メディア芸術祭にて『二匹目の金魚』が第22回マンガ部門審査委員会推薦作品に選出。
- 主な刊行歴
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- 2024
- 『そぞろ各地探訪 panpanya 旅行記集成』1月と7月
- 2023
- 『商店街のあゆみ』白泉社
- 2022
- 『模型の町』白泉社
- 2021
- 『魚社会』白泉社
- 2020
- 『おむすびの転がる町』白泉社
- 「家の家」(7/8ページ)単行本『商店街のあゆみ』 2022
- 所収