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国際芸術祭「あいち2025」閉幕に際してのお礼と報告
9月13日(土)に開幕した国際芸術祭「あいち2025」が、昨日、11月30日(日)に閉幕を迎えました。
79日間にわたる会期中、524,069人(速報値)の方に御来場いただきました。 皆様のご来場とご協力にお礼申し上げます。
大林会長挨拶
国際芸術祭「あいち2025」は、11月30日をもって79日間の会期を終え閉幕しました。
国内外から52万人を超える方々に会場に足をお運びいただきました。ご来場いただきました皆様に、厚くお礼申し上げます。
また、素晴らしい作品を出品いただいたアーティストを始め、会場を提供いただいた瀬戸市や地域の方々、協賛企業、報道関係者、会場運営をサポートいただいたボランティアの方々など、本当に多くの皆様に支えていただき、無事、会期を終えることができました。改めて、開催にあたってご支援・ご協力いただきました全ての皆様に心より感謝申し上げます。
今日、世界は、戦争や環境問題などにより、ますます混沌とし、不安定なものになっているように感じます。現代アートは、このような現実を直視し、社会の様々な問題や課題をモチーフに表現を試みてまいりました。「あいち2025」でも、フール・アル・カシミ芸術監督の掲げたテーマ「灰と薔薇のあいまに」に対し、多様なバックグラウンドを持つアーティストが様々な形で応答し、素晴らしい作品を展示、上演することができました。
キュレーターチームとアーティストの皆様方による、様々な知恵と工夫の結果として、まさに、今、開催するに相応しい国際芸術祭となったのではないかと思います。
また、「やきもの」のまちとして知られる瀬戸市の地場産業や地域資源を踏まえた作品、愛知県陶磁美術館の豊かな自然や充実した展示施設を活かした作品鑑賞を通じて、愛知という地域の歴史や文化を感じ、改めて愛知の魅力を発見することができました。
今後も「あいち」の国際芸術祭が幅広い方々に親しまれ、愛知から世界へ、アートの多様性が発信されていくことを期待しています。
フール・アル・カシミ芸術監督挨拶
Aichi Triennale 2025 has come to a successful close. We extend our heartfelt gratitude to the many visitors who have visited.
I would also like to once again extend my deepest gratitude to the 62 participating artists, each of whom resonated with and responded to the theme "A Time Between Ashes and Roses" and the concept, in their own unique way. Through their works--capturing the intricately interwoven relationship between humans and the environment in our world today, across expansive temporal scales and diverse perspectives--I believe we were able to share with you the significance of placing ourselves "in-between" and reflecting from within it.
The world remains turbulent, with war and environmental destruction continuing unabated. Even in such circumstances, art can play a vital role for those whose voices need to be heard.
The time we spent together at the Aichi Triennale 2025 has deepened our belief that coming together and being in solidarity, we hope for a better future.
【日本語訳】
国際芸術祭「あいち2025」が無事に閉幕しました。ご来場いただいたたくさんの方々に、心からお礼申し上げます。
また、62組の参加アーティストにも改めて深く感謝したいと思います。それぞれが、「灰と薔薇のあいまに」というテーマとコンセプトに様々なかたちで共鳴・応答してくださいました。私たちが生きているこの世界において、いまなお複雑に絡み合っている人間と環境の関係を、大きなタイムスケールと幅広い視点から捉え表現したアーティストたちの作品や公演を通じて、その「あいま」に身を置いて思考することの意義を、皆さんと共有できたと確信しています。
世界はいまだ混沌としており、戦争や環境破壊は収まる気配がありません。そのような状況においても、声を聴くべき人たちのために、芸術は重要な役割を果たせるのだと思います。
国際芸術祭「あいち2025」で皆さんと共に過ごした時間は、一緒に集い連帯することでより良い未来を築いていくのだという決意を、ますます強いものにしてくれました。