本文へ移動

国際芸術祭あいち2025、テーマ:灰と薔薇のあいまに、会期:2025年9月13日(土)から11月30日(日)79日間、会場:愛知芸術文化センター/愛知県陶磁美術館/瀬戸市のまちなか国際芸術祭あいち2025、テーマ:灰と薔薇のあいまに、会期:2025年9月13日(土)から11月30日(日)79日間、会場:愛知芸術文化センター/愛知県陶磁美術館/瀬戸市のまちなか

展示・公演等

マユンキキ

Mayunkiki

  • 現代美術
  • 愛知芸術文化センター

展示情報

  • 国際芸術祭「あいち2025」 展示風景
  • マユンキキ《クㇱ》2025
  • ©︎ 国際芸術祭「あいち」組織委員会
  • 撮影:ToLoLo studio
作品解説

本作は、マユンキキの故郷・北海道旭川と、天龍峡を中心とした天竜川流域(愛知県東部・奥三河~長野県南部・伊那谷)を行き来しながら制作されました。両地に共通する厳しい自然環境、川と橋、鉄道の存在に着目し、石狩川と天竜川、神居大橋と天竜川橋梁、JR宗谷本線(旧北海道官設鉄道)とJR飯田線(旧三信鉄道)というマユンキキとつながりのある二つの地域性が創作の起点となっています。そこに刻まれた歴史や記憶を辿るリサーチにおいてマユンキキのチームは、現地で鉄道の音や自然環境音を採集し、アイヌの伝統歌のレコーディングを重ね作品を構成しています。
作品の主題には、マユンキキの祖父・川村カ子ト(1893-1977)の存在が大きく影響しています。旭川アイヌのリーダーであり、測量技師として活躍した彼は、断崖絶壁の天竜峡〜三河川合間の開通を命がけで監督した功績によって語り継がれています。マユンキキは、自身の祖父が日本近代化の一翼を担い評価される一方で、その日本の近代化によってアイヌがもともと住んでいた土地が収奪され、言語や生業、生活慣習の同化を迫られてきた歴史と、本作のリサーチを通じて向き合い続けます。「上流と下流、先祖と子孫──不可逆とされる流れに橋をかけ、穴を穿ち、道を通す試み」として、本作をパフォーマンス作品《クㇱテ》と合わせて発表します。インスタレーションに加え、歌、映像、パフォーマンスなど、マユンキキの多様な表現手法にもご注目ください。

会場

愛知芸術文化センター 8F
愛知県美術館ギャラリー

プロフィール

  • 1982年チカプニコタン、ヤウンモシㇼ/近文コタン、北海道生まれ。ヤウンモシㇼ/北海道拠点。

アイヌの伝統歌を歌う「マレウレウ」「アペトゥンペ」のメンバー。2021年よりソロ活動開始。2018年より、自身のルーツと美意識に纏わる興味・関心からアイヌ女性の伝統的な文身「シヌイェ」の研究を開始。現代におけるアイヌの存在を、あくまで個人としての観点から探求し、表現している。

主な発表歴
2024
「翻訳できない わたしの言葉」東京都現代美術館
2022
個展「SIKNURE – Let me live」アイコン・ギャラリー(バーミンガム、英国)
2021–22
リボーンアート・フェスティバル2021–22「利他と流動性」石巻市街地、旧サウナ石巻(宮城)
2021
個展「SINRIT シンリッ:アイヌ女性のルーツを探る出発展」CAI03(北海道)
2020
第22回シドニー・ビエンナーレ「NIRIN」(豪州)
  • 《Siknure – Let me live》 2022
  • Photo: Stuart Whipps
  • Courtesy of Ikon Gallery.