今、を生き抜くアートのちから

ARTISTSアーティスト

メアリー・ダパラニーMary Dhapalany

  • 1950年ガルピリル(豪州)生まれ。
  • ラミンジニング(豪州)拠点。

AC36

鮮やかな色に染められたパンダヌスで編まれた《編み地のマット》(2021)と《編み地の包み》(2022)は、オーストラリア先住民(アボリジナルの人々)の伝統的な技術によってつくられています。メアリー・ダパラニーはオーストラリア北部のアーネムランドに生まれたマンダルプイ族の女性です。幼いころから儀式用のマットを制作してきたダパラニーがつくるマットとラップ(包むもの)は、アボリジナルの人々の歴史と文化を象徴するだけでなく、彼らの現在を表象しています。これらの作品は、ドリーミングと呼ばれるアボリジナルの人々の宗教的概念に基づき、彼らと祖先、大地、コミュニティのつながりを表現しています。万物に宿る祖先の精霊による営みが、過去だけでなく現在や未来へもつながる彼らの世界観にとって、美術作品もまたドリーミングによって生み出されたものであり、それは彼らにとっての現在であると同時に祖先の精霊とつながる行為でもあります。

1788年以降、アボリジナルの人々はイギリスの暴力的な植民地化を受け、多数が殺害され、土地と資源は収奪されました。アボリジナル・アートは植民地支配によって「プリミティブ・アート」として「発見」され、1980年代以降になってから現代美術として評価された歴史があります。このアボリジナル・アートの評価に主体的に関わっていったアボリジナルの人々は、アートとして評価される自分たちの伝統に根差した生産の行為によって、悲惨な歴史と文化、彼らの世界観を表現しています。ダパラニーの作品は、彼らの生活の中心である儀礼を強く意識させるモチーフであり、その歴史と伝統の理解が審美的価値に留まらないこの作品の深い理解へとつながります。

40年以上活動を続けている彼女の作品は、ビクトリア州立美術館(メルボルン、豪州)、アートバンク(シドニー、豪州)、シカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネス(米国)など多数のコレクションに収蔵されています。

主な作品発表
2022
カトマンズ・トリエンナーレ2077(ネパール)

展示情報

AC36

  • 国際芸術祭「あいち2022」展示風景
  • 撮影: ToLoLo studio
開館時間
10:00-18:00(金曜日は20:00まで)

※入館は閉館の30分前まで

休館日
月曜日(祝休日は除く)
会場・アクセス
愛知県美術館ギャラリー(8F)
  • 東山線または名城線「栄」駅下車 徒歩3分
  • 瀬戸線「栄町」駅下車 徒歩3分