「なにもない風景を眺める」 ほか

  • あいちトリエンナーレ2019の展示風景
    「なにもない風景を眺める」2017-2019 ほか
    Photo: Ito Tetsuo

展示室内には、ドローイング作品が22点並んでいます。手描きで即興的に 描かれている線は、紙を飛び出して手前のガラス面をも覆っています。音楽・美術のバックグラウンドを持ち、建築図面の線にも影響を受けた作家は、会期開始時期に名古屋に数日間滞在してライブドローイングを行い、ガラス面を仕上げて全体のインスタレーションを完成させました。
作品には、奥行きや立体感、ルールを感じる反復やリズム、様式から飛び出した自由さが同居し、独特の魅力が湛えられています。このインスタレーションはタイトルのとおり、新たな風景画とも捉えられるでしょう。

文谷有佳里

  • 1985年岡山県生まれ
  • ブリュッセル(ベルギー)拠点


美術、音楽、建築のバックグラウンドを持ったドローイングを制作する。作曲を専攻していた大学時代、寸分の隙もない作曲様式の息苦しさから解放されるように、線を描く行為に傾倒していった。以降彼女は、音楽の即興演奏のように、譜面も下絵も迷いもなく、支持体に線を走らせる独自の作風を確立する。繊細で伸びやかな単色の線、有機的な形態の反復と集積。そして画面を大胆に分割し、作品に空間性を与える力強いシャープな直線。リベスキンドの建築図面から影響を受けた時期もあるという彼女の作品は、竣工されないアンビルト建築が持つ無重力的な空間を想起させ、カンディンスキーや武満徹が描いた図形楽譜の系譜にも連なるものである。

主な作品発表・受賞歴

2016 個展「トランス/リアル―非実体的美術の可能性vol.6 文谷有佳里」ギャラリーαM、東京
2014 「第17回岡本太郎現代芸術賞展」川崎市岡本太郎美術館、神奈川
2013 「VOCA展2013」上野の森美術館、東京
2012 「ポジション2012名古屋発現代美術~この場所から見る世界」 名古屋市美術館、愛知

地図

愛知県美術館(10F)

所在地

〒461-8525
愛知県名古屋市東区東桜1丁目13−2
愛知芸術文化センター 10階

開館時間

10:00-18:00(金曜は20:00まで)
入館は閉館の30分前まで

休館日

月曜日(祝休日は除く)

アクセス

・東山線または名城線「栄」駅下車 徒歩5分
・瀬戸線「栄町」駅下車 徒歩5分

問い合わせ

052-971-6111